スポンジ状の造形が可能なフィラメント「Caverna PP」

スポンジ状のオブジェクトを造形可能な3Dプリンタ用フィラメント「Caverna™ PP」

化成品・医薬品事業を展開する長瀬産業のグループ会社で、米国ウィスコンシン州に拠点を置く Interfacial Consultants LLC(以下 IFC)は、直径1~4㎛のポーラス形状(微細な空気穴を多く含む形状)の造形が可能な、FFF方式3Dプリンタ用フィラメント(熱可塑性樹脂)「Caverna™ PP(カヴェルナ PP)」を開発した。

水溶性サポート除去後、軽量で柔らかく多孔質な造形物となる

IFCは、樹脂等の配合や分散において革新的な技術プラットフォームを有しており「Caverna™ PP」は、水溶性樹脂と非水溶性樹脂をIFCの高度なコンパウンド技術で分散し、造形後に水で溶解すると「マイクロポーラス(多孔質)」とよばれる軽量かつ柔軟性のあるスポンジ状の造形ができる。造形物は、複数の小さな気泡がつながった状態で分散されており、水を吸いやすいことから、複雑な多層構造の造形物でも水溶性樹脂がきれいに溶けるのが特徴としている。今後、ポリプロピレン(PP)以外の様々な樹脂に対応した製品をラインナップとして販売予定で、フィルター、セパレーター、シューズ、個人用保護具(PPE)など幅広い用途において、新たなレベルのデザインの自由度を実現できることが期待されている。

「Caverna™ PP」の製造・販売は、IFCと長瀬産業の100%子会社である Nagase America LLC の合弁会社で、米国ウィスコンシン州に拠点を置く3Dプリント素材メーカー Infinite Material Solutions(以下 IMS)が担当し、5月から販売を開始している。またIMSでは、IFCの特許技術による水溶性サポート材「AquaSys®(アクアシス)」シリーズも商品化しており「Caverna™ PP」と併用すれば、造形後に水につけることでマイクロポーラス状の造形とサポート材の除去が一度で可能となる。

Caverna PP の詳細

  • 素材:Caverna PP(ポリプロピレンフィラメント)
  • ノズル温度:190-240°C
  • ビルドプレート温度:95-125°C
  • チャンバー温度:20-50°C
  • 接着剤: ブリム設定および接着剤(Dimafix)の使用を推奨
  • 推奨サポート材:AquaSys 120
  • プリンタの互換性:Ultimaker S5およびAON3Dでテスト済み

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