競泳選手のキャリアを「Form 2」がバックアップ

Formlabs、3Dプリントジュエリーからスイマー用矯正パドル開発までをバックアップ

米国マサチューセッツ州サマービルに本社を置く3Dプリンタメーカー Formlabs は、競泳選手でジュエリーブランド「Bucephalus(ブケパロス)」のアートディレクターを務める 古賀淳也氏(以下、古賀氏)が、3Dプリントジュエリー制作と独自開発を進める水泳フォーム矯正用パドルの開発に、Formlabsの光造形(SLA)方式3Dプリンタ「Form 2」を活用していることを発表した。


Form 2 + Tough Resin を使って出力した水泳フォーム矯正用パドル

古賀氏は背泳ぎの競泳選手として、国内外の大会で活躍し、2016年のリオ・オリンピック400mリレーのメンバーに選出されるなど、輝かしい実績を残している。2018年にドーピング検査で禁止物質が検出され、2020年5月に故意による摂取ではないことがスポーツ仲裁裁判所によって認められるまでの資格停止期間中、現役復帰しても継続でき、リタイア後も続けられることや、競泳選手としてのキャリアが活かせる独自の製品開発をスタート。


Form 2 + High Temp Resin を使って出力したリングに会津塗職人が漆加工を施した作品

現在は、デザイナー yutaokuda 氏との共同運営によるブランド「Bucephalus」において、独創的なジュエリーを制作するほか、XRコンテンツを開発する「カディンチェ」と共に、指に装着して水泳時のフォームを矯正するパドルを開発。この二つのプロダクト開発において古賀氏は、試作開発をいち早く進めるべく、3Dプリンタの導入をアイデアの着想段階から検討。2018年12月に「Form 2」を導入し、ジュエリーの制作で「High Temp Resin」を使って出力したリングに螺鈿や漆による加工を施した、世界でも類を見ない作品を発表。
一方、指用パドルでは、現役の競泳選手や一般スイマーの協力を得て試作開発を進めており、2020年度中の製品化を目指している。

古賀淳也氏が「Form 2」を採用したポイント

特別の知識や手間なしで最適な出力が得られる使いやすさ

日本語に対応した 3D プリントソフトウェア「PreForm」は、3D モデルを最適なプリント位置に自動配置する機能や、サポート材の自動生成機能などを備え、誰でも容易にきれいな出力が得られる。モバイル環境やコンピュータから出力状況がいつでも確認できる「Dashboard」も提供。

光造形による優れた出力品質

高精細な光学機構を搭載するため、造型物の表面は滑らかで美しく、鋳造原型の制作だけでなく、そのまま製品として販売するにも十分な品質。レジンは加工性に優れており、表面処理や細かい修正のための時間や手間は最小限に、漆加工や螺鈿加工といった伝統工芸技術とのコラボレーションも可能。

さまざまな用途に対応する多種多様なレジン

素材となるレジンには、標準的な性質のスタンダードレジンのほか、衝撃強度や剛性、耐高温、ゴムのような柔軟性などさまざまな特性を持つエンジニアリングレジン、鋳造用レジン、任意の調色が可能なレジンなど、他の光造形 3D プリンタを圧倒する豊富なレジンを用意。これにより、多種多様な製品の試作や制作に利用することが可能。

この取り組みについて古賀氏は次のようにコメントしてる「2つの製品を開発に着手する段階で『Form 2』の導入を決めていました。試作・開発を内製化して理想をいち早く形にする上ではデータ通りに確実に造形できる成功率の高さが重要です。私自身、水泳選手として練習したことが本番のレースで発揮されるかという『成功率』にずっとこだわってきました。『今、出力したい』というときに、しっかり良いものを造形してくれるという面で、『Form 2』は頼もしい存在です。アスリートの『デュアルキャリア』というと、どこかの会社に所属して働くというキャリアが今は中心ですが、私は自分自身がやりたいことを仕事にできる先例になりたいと思います。海外進出も視野に入れているパドルと、さまざまな職人やアーティストとコラボレーションする刺激を楽しむリングは、いずれも引退後も長く続けられるプロジェクトなので、これからもFormlabsのプリンタとレジンで理想を形にし続けていきたいと思います。」


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