シリコンベースのマルチマテリアル3Dプリント

Wacker ACEO、異なる特性を持つシリコンベースのマルチマテリアル3Dプリント技術を開発

ドイツのミュンヘンに本拠を置く多国籍化学企業 Wacker Chemie AG(以下 Wacker)のブランド ACEO のチームは、ドイツの工業用接着剤メーカー DELO とコラボして、シリコーンエラストマーと熱硬化性エポキシ材料を単一のプリントプロセスで処理することを可能にした新しいマルチマテリアル3Dプリント技術を発表した。
関連記事:マルチマテリアル対応シリコーン3Dプリンタ

一体型ネジ接続付きシリコンチューブ Photo : WACKER ACEO

ACEOは、4つのノズルから最大4種類の異なる色と硬度の材料を組合せたマルチマテリアルプリントに対応した自社のマルチマテリアル対応シリコーン3Dプリンタを利用して、ハードとソフト両方の特性を有する材料を組み合わせたプリント技術を開発。設計者やエンジニアはこのプリント技術を利用して、新しく高機能なアプリケーションを開発することが可能となる。

DELOは、ACEO独自のドロップオンデマンドプロセスのプリントに最適化した「DELO KATIOBOND AM6677」材料を開発。剛性と強度を有するDELOのエポキシ材料と、柔らかさと弾力性を有するACEOのシリコーン材料を組み合わせることで、複雑な3Dジオメトリを1回のプリントで作製することができる。そしてこの2つの素材の間には粘着性がないため、使用後は簡単に分離することが可能。しかしこれには設計段階において2つの材料間に機械的な固定方法を用いる必要があり、同社が用意したデザインガイドラインに則った設計方法を適用する。

外側(青)シリコン、内側(白)エポキシ

この技術は、弾力性や柔らかさに加え強度や剛性が求められる、エレクトロニクス、自動車、機械・機器など、新たな応用分野への展開が期待されている。

100%シリコン製の3Dプリントロゴ

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