途上国に3Dプリント補聴器を提供する「The Hearing Express」

難聴に苦しむ途上国の若者に焦点を当てた3Dプリント補聴器提供プロジェクト

人々が抱える様々な課題解決のため、実用的な3Dプリンティング(Additive Manufacturing)アプリケーションを開発する米国の非営利団体 3DP4ME は、ヨルダンの若者に補聴器を提供することを目的としたプロジェクト「The Hearing Express」を立ち上げた。

WHO(世界保健機関)の報告によれば、全世界で3億6000万におよぶ人々が日常生活に支障をきたすほどの聴覚障害を抱えているが、経済的な理由により聴力を補うための補聴器を使用することができない人も多い。
「The Hearing Express」の目標は、中東の低所得層の難聴者に対し、5年間で12,000人分のカスタムフィット補聴器を提供するため、最先端のモバイル3Dイヤースキャニング、3Dモデリング、3Dプリント技術を用いた最新のソリューションを提供し、人々の生活を改善することを目標としている。

3DP4MEは、多くの専門家等と協力して2020年にパイロットプロジェクトを開始。このパイロットプロジェクトには、3Dイヤースキャニングのスペシャリスト Lantos Technologies や、歯科およびその他の医療用途向けシリコーンおよび光硬化性樹脂を専門に開発する医療用材料メーカー DETAX が参画してシステムを開発し、3DP4MEのソリューションを検証。最初の目標として、50個のカスタム補聴器の提供を予定している。

 

補聴器生産に利用される3Dプリンタ

このプロジェクトで提供される予定の3Dプリント補聴器は、オーストラリアの3Dプリンタメーカー Asiga のDLP 3Dプリンター「PRO2」が使用される。

独自の高速3Dプリント技術「Slide and Separate(SAS)」テクノロジーを使用する「PRO2」は、約1時間程度のプリントジョブで最大20~35個をプリントする能力を有しており、年間で数千個単位の耳型を生産することができる。

3DP4MEは、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関「WEF(世界経済フォーラム)」に加わり、パイロットプロジェクトの活動資金として設定された75,000ドルを調達するため寄付を募っている。


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