消費者の95%は3Dプリント製品の購入に興味を示している

カスタマイズ性に優れた3Dプリント製品が消費者の購買欲を活性化させる?

米国の調査会社は、2017年3月までに米国内の18~64歳までの男女に対する1,000件以上のサンプル調査を行い、多くの消費者が3Dプリントされた製品の購入に意欲的であるというレポートを公開したと、一部メディアにて紹介されている。

ECサイトの巨人「Amazon」を中心に、小売業者の多くがオンラインショップを開設しており、もはや実店舗は倉庫代わりのような存在になりつつある昨今。

激戦状態の続くECサイトの多くが、他社との差別化を図るため、より消費者を魅了する素材を探す必要に迫られている。

そんな中実施された今回の調査によると、消費者の95%が3Dプリントされた製品の購入に対し意欲的であると回答し、79%が製品を販売する店舗でのカスタマイズ化など、パーソナライズされた商品の購入に対し、強い関心を示していることが含まれていると言う。

このような調査からも、これまでの大量生産・大量消費による世界から、よりパーソナルな製品が求められていることが分かる。

3Dプリント技術によるカスタマイゼーション

2016年度頃から頻繁に紹介する機会の増えた3Dプリントシューズ(関連記事はこちら)では、先行するadidas、New Balanceなどのスポーツ用品メーカーが、3Dプリント技術を用いて生産されるカスタマイズ可能な3Dプリントシューズの量産化を展開しており、2017年後半以降はこの流れが拡大し、他業界にも波及すると予測されている。

adidasとcabon社が共同開発する量産タイプの3Dプリントシューズ

実店舗型カスタマイゼーション
MITの技術者等がクラウドファンディングKickstarterでスタートアップし、設立されたファッションブランド「Ministry of Supply(米国・ボストン)」は、一部店舗に『3D Print-Knit』と呼ばれる3D編み機を設置し、顧客の体形や要望に応じてカスタマイズできるオーダージャケットなどの製品を販売している。


Ministry of Supplyの3Dジャケット

Ministry of Supplyの3D技術(3D robotic knitting)から生成される靴下「Atlas Dress Socks」は、厚みやテキスタイル、素材など様々なバリエーションから構成することができる。

このようにカスタマイズ化に特化した製品は、今後益々増える可能性がある。

 

ECと実店舗のバランス
オンラインショッピングによる取扱量の増加と共に、ショッピングモールなど大型店舗の閉鎖が増える中、実店舗で商品を手にすることに価値を感じる消費者も増えている。このような複雑なバランスの市場で、多様化するニーズに即応した魅力的な商品を生み出すには、3Dプリント技術が重要な役割を果たすのは間違いないだろう。


販売中の3Dプリント製 一輪挿し


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