米国研究者はサボテンの内部構造を参考に自己修復機能を備えた3Dプリント構造物を開発
テキサス州にあるラマー大学の研究チ―ムは、SLA方式の3Dプリント技術を使用し、自己修復機能を備えた3Dプリント構造物を開発した。
研究チ―ムは、毛細管現象を利用し開口部から粘り気のある液体(粘液)を滲み出し、破損個所を修復する機能を有したサボテン科の亜科のひとつ「ウチワサボテン」の構造を参考に、自律的に自己修復する機能を備えた3Dプリント構造物を開発。破損しやすい部品類を修復する手段のひとつとして、この方法の実用化に向けた研究を進めている。
FormlabsのSLA方式3Dプリンタ「Form 2」を使用して生成された3Dプリント構造物には「樹脂トラッピング」と呼ばれる手法を用いて生成された、内部にUV硬化性樹脂を充填した複数のユニットセルが含まれており、各ユニットが自己修復剤の貯蔵庫として機能している。
何らかの原因により3Dプリント構造物に割れ目などが生じた際、ユニット内に充填された樹脂が解放されて紫外線硬化し、破損個所を修復する。
現在自己修復剤として利用されている樹脂の硬化には、紫外線光源(太陽光など)が必要とされているが、研究チームは完全に自律的な自己修復プロセスを生み出すために必要なエネルギーの削減に取り組んでいる。
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