樹脂材料を好みの色に調色できる「Color Kit」活用例

Foromlabsのカラーミキシングソリューション『Color Kit(カラーキット)』活用事例

デスクトップタイプのSLA方式3Dプリンタで圧倒的シェアを誇るFormlabsは、自社の主力製品であるSLA方式3Dプリンタ「Form 2」で使用可能な、世界初のカラーミキシングソリューション「Color Kit(以下 カラーキット)」を、2017年12月にリリースしました。
カラーキットは、弊社が運営する3Dプリンタ専門ショップ「3DPS id.arts」でも扱っていますが、その使用方法について理解されていない方からの問い合わせが有るため、今回このカラーキットの使用方法について、弊社のレギュラー業務である製品デザイン開発の現場を例に、具体的な使用方法についてご紹介させていただきます。

事例素材として製作したリップスティック

カラーキットとは

調色専用材料であるFormlabsのカラーキットは、Form 2の樹脂(レジン)材料として統合された世界初のカラーミキシングソリューションで、基本となるカラーベースカートリッジと5色の顔料インクを使用し、ユーザー自身が好みの色に材料を調色することができるForm 2専用材料です。

カラーキットによる調色方法は非常に簡単で、Formlabsの公式サイトに公開されているカラーピッカーやカラーレシピを参考に各調色用インク量を確認し、顔料インクパッケージに含まれるインクとシリンジを使い、レシピに表記された分量の顔料をカラーベースに充填するだけ。

レシピに準じた分量のインクを取り出す

必要な分量のインクをカラーベースに充填した後は、キャップを締めてカートリッジをシェイクし、Form 2にセットすれば通常のレジン同様の工程で3Dプリントを開始することができます。

カラーピッカーで指定された分量の各色インクをカラーベースに充填

今回の事例では、基本となる16色のレシピから「Peach」を選択し、表記された分量(MAGENTA 3mL、YELLOW 4mL、WHITE 93mL)を参考に調色を行っています。
尚、カラーキットを使用する上で一点だけ注意いただきたいのは、カラーキット使用時は通常のResin Tank(レジンタンク)ではなくResin Tank LT(レジンタンク LT)が推奨されているため、カラーキット購入時にはResin Tank LTも同時に入手してください。

カラーピッカーに準じたインク量から調色した材料を使用し造形した部品

上述の通り、通常レジンと同じ工程でプリントを終えた造形物は、極めてレシピに近い色で仕上げることが可能で、造形後の工程も通常レジン同様に、洗浄と紫外線硬化を経てサポート除去作業へと移行します。

この後処理工程では、作業効率向上のためFormlabsの自動洗浄ツール「Form Wash」と、UV硬化専用機「Form Cure」を使用しています。この二つのツールは、一度使ってしまうと手放せなくなるくらい便利なので、造形後の作業効率向上を望む方や、市販のUV硬化機で対応できない大きさの硬化が必要な場合には、必ず持っていた方が良いツールです。


造形後の部品はプラットフォームごとForm Washで洗浄


背の高い複数パーツも、Form Cureであればまとめて硬化が可能

今回事例素材として用意したリップスティックや化粧ボトルは、意匠確認を想定した簡易的なモックアップですが、より実製品に近い完成度を出すため一部に塗装を施しています。
以前のキッチン模型事例(こちら)でも紹介したように、メッキ処理を施すことでよりリアルな質感に仕上げることも可能ですが、今回は塗装のみで仕上げています。

一般的に、塗装やメッキは下地の状態(平滑レベル)により精度が左右されるため、積層跡や傷を可能な限り目立たないようにする必要がありますが、Form 2には「超高精細モード(0.025mm)」で3Dプリントすることが可能なため、積層跡が殆どない滑らかな表面に仕上げることが容易になります。


TuneD3とリューターで研摩仕上げ

造形を終えた部品の一部にメタリック塗装を施すため、弊社が販売する3Dプリント用研磨材「TuneD3 STANDARD」で下処理を行った後、ルーターラジアルブリッスルディスク)で軽く磨き上げ、最後に「TuneD3 HiPOLISH」で艶出しを行い、メタリック塗料で仕上げてみました。


積層跡が残らないため簡易的な研磨でもメタリック調塗料の載りが良い

今回カラーキットを使用して造形した部品は、サポートを除去しただけで仕上げ加工を一切していませんが、積層跡も殆ど残らず非常に滑らかに仕上がっているのが確認できます。

このように、材料の段階から簡単に好みの色を用意することが出来るColor Kit(カラーキット)は、造形後の仕上げ工数を大幅に削減するだけでなく、より実製品に近いモックアップを短時間で効率よく製作する必要のあるデザインの現場では、非常に有効なツールであり、アイディア次第で様々な用途に活用することも出来る材料です。


実製品をイメージした実寸モックアップ


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