卵の殻を素材とした大型3Dプリント家具

NOD、卵の殻を素材とした大型3Dプリント家具の製造に成功

建築・不動産・飲食など様々な事業を展開する NOD は、ネクアスBoolean とともに、有機廃棄物である「卵の殻」を素材として用いた国内初の大型3Dプリント家具を製作。本取り組みは、今年8月に発表した世界初の生分解性酢酸セルロース素材「NEQAS OCEAN」を使用した大型3Dプリント家具に続く「⾃然と⼈間のつながりを捉え直し、有限の資源を利活⽤する循環型都市を実現する」プロジェクト『RECAPTURE』の第二弾作品となる。
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本家具は、有機廃棄物の素材への加工、プロダクトの生成、分解による素材化のサイクルの実現を目標としている。卵の殻を素材化する段階では、ネクアスの特許技術「SANTEC-BIO」を用いて、樹脂にバイオマス資源を均一に分散させることで、高い物性の維持を実現。

製造の段階では、Booleanが培ってきた大型3Dプリントの経験とエンジニアリング力によって、一般的に3ヶ月から半年かかる新規素材でのプロダクト製造を1ヶ月のスピードで実施した。

有機廃棄物の再利用を促進し、持続可能な社会を目指す

食品などの製造工程から排出される有機廃棄物の再資源化は、持続可能な社会づくりのために欠かせない領域であり、世界では、3Dプリンティング技術を用いた有機廃棄物の再利用が進んでいるが、日本ではほとんど事例がないのが実情である。同社は「都市の課題を、素材から捉えなおし、10年後の”当たり前”を作る」というコンセプトで、3Dプリンティングと再利用可能素材による循環型社会の実現を目指すプロジェクト「RECAPTURE」を推進。その第一弾では、生分解性素材である酢酸セルロースを利用した家具を製作した。

第二弾となる有機廃棄物の家具は、卵の殻を素材として利用しており、2030年を見据えた未来のライフスタイルを提案するKDDIの研究所の運営する「KDDI research atelier(リサーチアトリエ)」で実際に利用されている。

有機廃棄物の再資源化で作る未来像

有機廃棄物の資源化、3Dプリンタによるプロダクト化のプロセスを用いることで、次のような未来を実現できると考えており、廃棄物を素材として捉え直すことで、分解と構築のサイクルを様々なプロダクトに実装し、生活者の都市への関与に新しい視点を投げかける。

本プロセスを活用した新しいプロダクトづくりの可能性

  • オフィスから出る廃棄物を利用し、オフィスで使用する大型家具を作り続けるエコシステムの実現。
  • 飲食店や食品メーカーと協業し、製造過程で排出される廃棄物を使った大型家具や飲食空間などの製造。
  • 商業施設や公共施設から出る廃棄物を利用した、橋などのインフラ設備や家やホテルなど建設。


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