高精細バイオ3Dプリンタ「quantum x bio」

CELLINKとNanoscribeは共同開発したバイオ3Dプリンタ「quantum x bio」を発表

ライフサイエンス研究および3Dバイオプリンティング技術の商業化に焦点を当てた BICO Group(旧社名 CELLINK)は、傘下の3Dマイクロファブリケーション企業 Nanoscribe と共同で、新たなバイオ3Dプリントシステム「Quantum X bio」を開発した。


Quantum X bio 3Dプリンタ

「Quantum X bio」は、Nanoscribeの二光子重合法(2PP)を採用し、サブミクロンの印刷解像度を実現した世界初のバイオプリンタで、バイオプリンティングを小型化し、複雑な細胞構築物や細胞足場、高度な生物医学アプリケーションの開発を再定義するための最高峰のツールとして、研究者等に対し、従来製品を凌駕するこれまでで最も正確な3Dバイオプリント環境を提供する革新的なシステムとなっている。


微細加工された複雑な血管モデル

Nanoscribeの「Quantum X」微細加工プラットフォームから生まれたこのバイオ専用3Dプリンタは、あらゆる分野の生物学的・生物医学的応用に向けたバイオコンバージェンス力を象徴しており、Nanoscribeの卓越したエンジニアリングをベースに、独自の積層造形技術をカスタマイズし、CELLINKのバイオプリンティング専門チームと連携して開発された。


Quantum X bio Cell培養

「Quantum X bio」は、温度制御、無菌環境、機能化されたバイオマテリアルなど、バイオプリンティングに必要不可欠な機能を備えており、Nanoscribeのサブミクロンオーダーの解像度をバイオファブリケーションに応用することで、組織工学、ドラッグデリバリー、メカノバイオロジー、マイクロフルイディクス、血管組織などのライフサイエンス分野でのイノベーションを効果的に加速させる鍵となるが期待されている。


Nanoscribeによって3Dプリントされたマイクロサンプル

2021年8月にブランド名を変更したBICO(旧 CELLINK)は、感温性バイオインクの3Dバイオプリンティングに関する2つの新しい特許を取得。2021年5月には、今回の共同開発企業であるドイツの3Dマイクロファブリケーション企業 Nanoscribe を7,060万ドルで買収し、米国を拠点とする委託研究企業 Visikol を750万ドルで買収。また同社は直近で、再生関節プロテーゼを開発するベンチャー Nanochon と150万ドルの製造委託契約を締結。この契約によりNanochonは、BICOのSCIENIONから150万ドル相当の製品およびサービスを購入し、3Dプリント再生関節インプラントを開発するとしている。


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