3D Systems、3Dバイオプリント軟組織構造を開発

3D Systems、再生医療企業CollPlantと共同で乳房再建治療のための3Dバイオプリント軟組織構造を開発

3Dプリンタメーカー 3D Systems と、組織再生および臓器製造技術と製品を開発するイスラエルの再生美容医療企業 CollPlant は、乳房再建術においてインプラントと組み合わせて使用するための3Dバイオプリント再生軟組織構造に関する新たな共同開発契約を締結した。

この軟組織構造は、乳房インプラントと組み合わせて使用することで乳房下部をサポートし、インプラントポケットを拡張してインプラント全体のカバー率を高めることを目的としている。両社は、共同で開発した3Dバイオプリンティング技術を活用して、患者の解剖学的特徴に合わせて構造体をカスタマイズし、がん患者の乳房再建手術の成功率を高めることを目的としている。

世界保健機関(WHO)によれば、2020年には世界で230万人の女性が乳がんと診断され、そのうち大多数が乳房組織の一部または全部の切除を必要としている。現在では効果的な治療法により生存率が90%以上と高まり、乳房再建のための治療法を選択する女性が増えている。しかし、乳房再建手術の多くは人や動物の軟部組織構造を使用しており、これらの材料は供給量が不足し、治療法の信頼性を高めるのにはバラつきが大きすぎることが課題となっている。また、異物である哺乳類の組織を使用することで免疫反応を引き起こし、治癒が遅くなるというリスクも含まれている。

3Dプリント、ヘルスケア、バイオプリンティング、バイオインクに関する専門知識を持つ両社はこの共同開発契約により「ヒトI型コラーゲン(rhCollagen)」を使用した3Dバイオプリント軟組織マトリクスを開発。
開発中の3Dバイオプリント軟組織マトリクス製品は、組織再生を促進する「rhCollagen」をベースとしたバイオインク処方を使用することで、細胞の浸潤・増殖を促進しつつ、必要な物理的・機械的特性を満たすよう設計されている。この両社の取り組は、免疫反応を起こさない優れた性能、一貫性、安全性を備えたティッシュ・マトリックスが実現すると考えている。

CollPlantのCEOであるYehiel Tal氏は次のように述べている「我々は、3D Systemsと協力して再生軟組織マトリックスを提供し、乳房インプラント手術における軟組織補強の市場を大幅に拡大することができます。再生可能なソリューションは安全性を高め、製品のばらつきをなくし、新しい組織の成長を促進することで結果を向上させることができます。」


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