- 2019-2-15
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3Dプリント中に発生する有毒なナノ粒子およびマイクロ粒子を最大80%削減するキャビネット
コペンハーゲンに本拠を置くOwlsonは、3Dプリンタから排出される有害物質を除去し、屋内で安全に3Dプリンタを運用するためのキャビネットをリリースした。
製造業に限らず、オフィスや教室、一般家庭にも普及がすすむ3Dプリンタは、プリントプロセスにおいて発生する超微粒子粉塵(以下 UFP)に、200種類以上の揮発性有機化合物(VOC)が含まれると言われており(関連記事はこちら)、プリントプロセス中に放出されたUFPが一定期間に渡り人体へ吸入されると、心臓血管および肺など、呼吸器系などに健康被害問題を引き起こす可能性が指摘されている。
同社が実施した調査によれば、通常の屋内環境におけるUFPは「2.000~3.000 pt/cm」が想定されるが、PLA材料を利用しベンチマーク素材(3DBenchy)を2時間掛けてプリントした際、通常安全レベルの50~100倍にまでその数値が跳ね上がった。
Owlson社のキャビネットは、耐久性のあるアルマイト処理されたアルミニウムフレームとレーザーカットされたアクリル素材から作られており、完全密閉型の筐体に設置されるHEPAフィルタ (High Efficiency Particulate Air Filter) 搭載のエアクリーナーや除湿器により、3Dプリント中に発生する有害物質をナノ粒子(20~100 nm)を60%、マイクロ粒子(1~10μm)を80%減少させ、湿度レベルも20%低下する。また、筐体は振動を抑制し、プリント中のノイズを20%程度減少させると言う。
同社ECサイトから注文可能なキャビネット(ベース価格 約87,000円)には、除湿器、LED照明、GoProマウント、フィラメントフィーダ、収納ラックなど、さまざまなアクセサリを追加することが可能で、使用する3Dプリンタの種類やユーザーの好みに応じてカスタマイズすることができる。
一般家庭から大規模な製造施設まで、3Dプリンタの導入は拡大を続けているが、様々なリスクに関して明確なガイドラインが設けられておらず、健康へのリスクが心配されている。
これに対しOwlson社は「当社の製品は、健康への潜在的なリスクを軽減し、プリント品質を向上させる柔軟なソリューションを3Dプリントプロセスに追加することで、健康問題に対処しています。」と述べている。
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