- 2021-11-28
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英国人患者が世界で初めて3Dプリントされた人工眼球を装着
英国ロンドンの眼科病院 Moorfields Eye Hospital NHS Foundation Trust(ムーアフィールズ眼科病院)の発表によれば、2021年11月25日に、英国人男性Steve Verz(スティーブ・バーズ)氏が、世界初となる3Dプリントされた義眼を装着する処置を受けた。
この患者は2021年11月25日に、それまで装着していた従来のアクリル製義眼から、世界で初めて3Dプリントされた義眼に付け替えた。
3Dプリントされた義眼は従来の物よりもリアルな義眼で、瞳孔の輪郭もはっきりしており、本物の様な深みがある。また従来の方法とは異なり、眼窩の侵襲的な型取りの代わりにスキャン技術を使用しているため、個々の患者の患部に最適化させることが可能となる。
3Dプリント義眼を選択する上で重要なのは、製造工程がはるかに速いこととされている。従来のアクリル製義眼の場合、人の手による処理が必要で、完成までに約6週間ほど掛かっている。一方で、3Dプリントされる義眼は、3Dスキャン後から僅か2時間半でプリントすることができる。プリントされた義眼はその後眼科医に送られ、仕上げ、研磨、装着までの処理が行われるが、これらすべてのプロセスを合計しても、僅か2~3週間で全ての作業を完了させることができる。
実際に義眼を装着したスティーブ氏は「私は、20歳の頃から義眼を必要としてきましたが、家を出るとき鏡を見るといつも気後れしていました。しかしこの新しい義眼は素晴らしく、違和感を感じません。3Dデジタルプリント技術をベースにしているので、今後さらに進化するだろうと期待しています。」と語っている。
また、スティーブ氏を担当したムーアフィールズ眼科病院の顧問眼科医であり、ムーアフィールズ眼科病院およびUCL眼科研究所のNIHRバイオメディカル研究センターの眼科教授であるマンディープ・サグー教授は次のように述べている。
「私は、この3Dプリントされた人工眼球の可能性に期待しています。今後の臨床試験では、この新技術の価値を示す確かな証拠が得られ、患者にとってどのような違いがあるのかを示すことができると期待しています。」
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