米国ベンチャーが3Dプリンティング技術を用いた安価で高効率なペロブスカイト太陽電池を開発
3Dプリンティング技術を用いたソーラーシステムを開発するカリフォルニア州のベンチャー企業T3DPは、ペロブスカイト結晶構造材料を用いた太陽電池を構築するため、特許取得済みの立体3Dプリンティング技術を活用し、フラット型太陽電池パネルの変換効率を2倍以上に高めることができる新世代の3Dプリント太陽電池を開発。
ハエの目の複雑な幾何学構造に触発された六角形(ハニカム)の足場強化セグメントに、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造の材料を用いた太陽電池用材料を堆積し、層毎にオブジェクトを硬化させ、壊れやすいペロブスカイトを強化し安定させる。製造工程に3Dプリンティング技術を取り入れたハニカムシールドベースのペロブスカイト太陽電池は、標準的なシリコン太陽電池よりも安価に製造が可能で、極端な温度変化によるストレス試験でも標準的な太陽電池と同等の電力変換効率を示している。
ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン系のそれよりも遥かに低温(プラスチックを痛めない範囲)で製造することが可能で、従来のシリコン製造に必要だった高い温度を維持するためのエネルギーコストを削減することができる。
また、3Dプリントされたハニカムシールドのペロブスカイト太陽電池パネルを立体的に並べることで、シリコン系太陽電池よりも遥かに優れた電力変換効率が見込まれ、通常の平置きよりも2倍のソーラーパネルを配置することができる。
2013年に創業し、2018年に3Dソーラーおよび立体3Dプリンティングに関する特許を取得したT3DPは現在、世界中のイノベーターが参加するスウェーデン主催「Sustainable Mobility Challenge」に応募し審査を受けており、今夏発表される受賞者に選ばれると、Swedish Energy Agency(スウェーデンエネルギー庁)から150万ユーロ(約1億9千万円)の賞金が提供される。T3DPはその資金を活用し、3Dプリントソーラーパネルの市場投入を目指す。
ペロブスカイト型太陽電池に関するソース:JST
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