3Dプリント製電気自動車で南極大陸を走破

Clean2Antarticaは再生プラスチックから製造された3Dプリント製電気自動車で南極大陸を走破

循環型社会の実現を目指す環境保護団体「Clean2Antarctica 財団」の代表であるオランダ人夫妻Edwin ter VeldeとLiesbeth ter Veldeは、深刻化するプラスチックゴミによる環境破壊に対する啓蒙とリサイクル技術研究のため、廃棄プラスチックを材料とした3Dプリント製電気自動車で、南極大陸を走破するプロジェクトをローンチした。

2015年、プラスチックゴミによって深刻化する環境問題を意識した2人は、自らの生活からプラスチックゴミを無くすと共に、循環型社会を実現するための団体Clean2Antartica財団を設立。その活動の一環として、プラスチックゴミによる環境問題への啓蒙と廃棄プラスチックのリサイクル技術研究を目的としたプロジェクト「Solar Voyage」を始動。

このプロジェクトは、リサイクルプラスチック製コンポーネントから製作されたソーラー電気自動車「Solar Voyager」使用し、約47日間掛けて南極大陸2,400kmを走破することを目標としている。

太陽エネルギーによって動作するSolar Voyagerの車体には、廃棄プラスチックベースの材料を40台のFDM/FFF方式3Dプリンタ(Ultimaker)でプリントした「HexCores」と呼ばれる六角形パーツを組み合わせたハニカム構造のボディを採用しており、このシャーシだけで約200kgの廃棄プラスチックが使用された。

4,000個のHexCoresを組み合わせ完成したSolar Voyagerは、長さ16m(ソーラーパネル用トレーラー含)、総重量1485kgで、10枚の大型ソーラーパネルとスノーチェーンを巻いた特殊なソフトタイヤを備えている。走行中に必要な電力はソーラーパネルから発電する電気を利用するが、万が一に備え、緊急用に60kwのバッテリーも搭載。

車両の最高速度は8km/hと非常に低速だが、これはソーラーパネルから得られる電源をより効率良く利用するための最大速度として設定されている。

準備が整い次第ベースキャンプを出発する予定のSolar Voyagerは、ゴールとなる南極点までの計2400kmを約47日間掛けて走行するが、極寒の地で体力を維持するためには大量のカロリーを摂取する必要があり、47日間の移動に必要な食糧だけで200kgを超えている。またこの食糧に飲料水は含まれておらず、必要な水は、雪を溶かし水にする6本の真空ソーラーチューブから供給される。

 

南極条約と2048年問題

​1959年にアメリカ・ソ連・イギリス・日本など12ヵ国によって締結(2016年現在の南極条約締約国は53ヵ国)された「南極条約」により、国際協力のための中立地とされている南極だが、条約体制期限となる2048年以降については何も決まっていない。南極を巡る軍事衝突が起きる可能性は極めて低いと考えられているが、新興国による鉱物資源の開発や海洋資源の乱獲、私的利用などが生した際、国際社会に大きな混乱を巻き起こす可能性がある。


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