- 2021-2-27
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商用ロケット開発の航空宇宙会社オルベックス、欧州最大の産業用3Dプリンタを発注
小型の商用軌道ロケットを開発するスコットランドの航空宇宙会社 Orbex(以下 オルベックス)は、年間35基以上のロケット打ち上げに向けた生産能力拡大に伴い、複雑なロケットエンジンを社内で迅速に3Dプリントするため、ドイツのシュタルンベルクにあるEOSグループ AMCM に、欧州最大級の産業用3Dプリンタの開発を依頼した。
取引は、英国の投資会社であるBGFと、欧州最大級のベンチャーキャピタルであるオクトパス・ベンチャーズが主導した資金調達ラウンド(2400万ドル)により実現したもので、今回の追加資金調達により同社は、商用および公共事業の両方を対象とするロケット打ち上げサービス「Prime」ロケットに実装される大規模なロケット部品の製造に特化したシステムを構築すると共に、自社工場の床面積を1,000m²拡大する。
新しい3Dプリントシステムは、チタンやアルミニウムなどの金属材料をカスタムブレンドして、溶接などを必要としない、宇宙飛行時の温度や圧力に耐えられる複雑で軽量な大型ロケットエンジン部品をプリントすることが可能となる。またこの3Dプリントシステムには、後処理装置とコンピュータビジョンシステムが搭載され、プリントされたロケット部品の自動検査機能が搭載される。
オーベックスは、今年度中にスコットランド・サザーランド北岸の半島に新たな打上げ施設を建設。2022年にこの3Dプリント部品を搭載したロケットの最初の打ち上げを予定している。
従来のロケット燃料と比較して、CO2排出量を90%削減する同社のロケットは、新たに開発された回収・再利用システムを組み込むことで、地球周回軌道上のデブリ(宇宙ゴミ)を無くすように設計されている。
オーベックスのCEOであるクリス・ラーモア(Chris Larmour)氏は次のように述べている「ロケットエンジンやその他の重要なシステムは、何年ものテストを経てかなり成熟していますが、今回のような大規模な社内3Dプリントシステムを利用することで、生産を拡大する際のスピードと機敏さが格段に向上します。長期的には、年数回のリリースに向けて準備を進めていく中で、コストとサプライチェーンの管理をより一層強化することができます。徹底的な試験を行った結果、AMCMの取り組みは成功しており、パートナーとして正しい選択をしたと確信しています。」
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