NREL、13メートルのタービンブレードを3Dプリント

NRELがリサイクル可能な樹脂から13メートルのタービンブレードを3Dプリント

米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の研究チームは、風力タービンブレードの性能と使用後のリサイクル性の両方を向上させる新しい製造方法を開発し、リサイクル可能な樹脂素材から、長さ13メートルのタービンブレードを3Dプリントした。

研究チームは、ブレードを通常の熱硬化性樹脂から作るのではなく、熱可塑性樹脂を使って3Dプリントする独自の方法を考案。この熱可塑性樹脂は、加熱することで元のポリマーを回収して再利用することが可能で、エンジニアたちは、13メートルのプロトタイプを製作することに成功。将来的にこの手法を用いることで、大幅なコスト削減や製造スピードの向上につながると考えている。

現在の風力タービンブレードの多くは、2枚のグラスファイバー製スキンを接着剤で結合し、シェアウェブで補強したクラムシェル型のデザインを採用している。しかしこれらの大型部品は、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステルなどの熱硬化性樹脂で製造されることが多く、これらの樹脂は、一度硬化すると不可逆的に架橋してしまい、プラスチックの再利用が不可能になる。

NRELプロジェクトの責任者であるデレク・ベリー氏は「熱硬化性樹脂でブレードを製造すると、そのプロセスを元に戻すことができず、ブレードのリサイクルは非常に困難です。」と述べている。
今年初めバイデン大統領は、2030年までに米国の温室効果ガスの排出量を半減させるという野心的な目標を掲げており、グリーンエネルギー技術が不可欠であると強調したことから、NRELの研究チームは「風力タービンブレードの製造方法に革命を起こす」という改革の必要性に迫れれている。

ブレードの製造をより循環的なものにするため研究チームは、NRELの複合材製造教育・技術(Composites Manufacturing Education and Technology:CoMET)施設のチームとプロジェクトに着手。2017年に開設されたこの施設は、3Dプリントツール、複合材混合装置、プロトタイピングツールをユーザーに提供することで、風力、水力、複合材技術の研究開発を進めることに特化している。
NRELのプロジェクトは、米国エネルギー省の先進製造業局の支援を受けており、チームはリサイクル可能な熱可塑性プラスチックを処理できるシステムを開発。このシステムでは、リサイクル可能な熱可塑性プラスチックを加工して、円形のブレードを3Dプリントすることが可能で、このブレードは熱溶着によって他の部品に取り付けることができる。

複数の分野にまたがる研究チームは将来的に、 TPI Composites、Additive Engineering Solutions、Ingersoll Machine Tools、Vanderbilt大学、Institute for Advanced Composites Manufacturing Innovation などのパートナーと協力して、タービンブレードの重量とコストを10%、リードタイムを15%削減しながら、長さ100メートルまでの軽量化部品を開発することができると考えている。


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