3Dプリント中のノズル温度変化による有害物質放出率を調査

ソウル大学の研究チームが3Dプリント時の有害粒子放出率に対するノズル温度の影響を調査

ソウル大学(Seoul National University)の研究チームは、FFF方式の3Dプリンタで3Dプリント中に放出される有害粒子のノズル温度の影響を調査。「Effect of nozzle temperature on the emission rate of ultrafine particles during 3D printing」と題した論文を発表した。

研究チームは、PLA、ABS、レイウッド、ナイロンの一般的なフィラメント4種類を使用して、様々な温度間隔でオブジェクトをプリントし、専用の計測装置を用いてプリント中の粒子濃度を測定。この研究は、FFF方式の3Dプリントシステムを安全運用するため、ノズルの温度管理が重要要素であることを実証することを目的に実施されている。


プリントプロセスと結果を示す図

これまでの研究で、排出される粒子は直径0.1ミクロン未満のナノ粒子サイズで、これらの超微粒子の中には、既知の発癌物質であるホルムアルデヒドやスチレンやカプロラクタムなどの刺激物質を含む、揮発性有機化合物が含まれていることが分かっている。
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3Dプリント時に排出されるこれらの有害物質を吸い込むと、肺の深部にある組織および細胞に入り込み、心臓血管および肺など、呼吸器系などに問題を引き起こす可能性がある。

 

一般的なフィラメントを用いた実験

研究チームは実験のため、FFF方式の3Dプリンタに密閉されたチャンバーを設置し、PLA、ABS、レイウッド、ナイロンの4種類のフィラメントを使用して、ノズル温度を変えながら8つの単純な立方体を造形。実験時のノズル温度は、185℃~290℃の範囲で15℃間隔で設定され、使用したフィラメントの質量に対する放出率を正確に計測するため、プリント前後のフィラメント重量も測定。


材料および温度別の放出率

走査型移動度粒子測定器と光学式粒子分光計を使用し、1分間隔で各温度での放出量をリアルタイムでモニタリング。この実験を各フィラメント毎に3回繰り返し、単位体積あたりの粒子数と粒子の粒度分布を計算。これらの値から研究チームは、各温度における各材料の放出率を決定。
この結果研究リームは、4種類のフィラメントすべての有害粒子の放出率が、温度間隔ごとに増加していることを発見。実験で使用されたフィラメントでは、最も低い温度と最も高い温度の2つの環境下で最大10000倍高い放出率を示した。

メーカー推奨温度と最高温度時の排出率

つまり、FFF方式3Dプリンタをより安全に使用するためには、使用する材料に対して可能な限り低い温度で運転することが推奨されることを示している。


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