BMW、大規模な3Dプリントシステムを導入?!

ドイツ大手自動車メーカーが、790万ドル分のデスクトップメタル3Dプリントシステムを発注

マサチューセッツ州バーリントンに本拠を置く3Dプリンタメーカー Desktop Metal(以下 デスクトップメタル)は、ドイツに本社を置く大手自動車メーカーから、790万ドル(約8億9千6百万円)の受注を獲得したことを発表した。

デスクトップメタルは、ドイツの某大手自動車メーカーから、自動車のパワートレイン用金属部品を大規模生産するためのバインダージェット3Dプリントシステムを790万ドルで受注。メーカー名は公表されていないが、同社の初期投資メンバーにBMWが含まれている事、ドイツ自動車首位のフォルクスワーゲンがHPと積極的に協力していること、ダイムラー・ベンツ(メルセデス)がEOSと協力していることなどを踏まえ、デスクトップメタルの受注先はBMWではないかと推測されている。

デスクトップメタルは、金属、複合材料、ポリマー、セラミックス、生体適合材料、砂、木、エラストマーなど、250種類以上の材料を揃えた包括的で多様な材料ライブラリをサポートし、最終用途部品を大量生産するための高スループットの積層造形ソリューションを提供しており、自動車、医療・歯科、消費者製品、航空宇宙などの業界で顧客基盤を急速に拡大。全世界で1,350人を超えるスタッフを抱えている。

一方BMWグループは、2022年にBEV(二次電池式電気自動車)の販売台数を倍増させ、2025年までに約200万台のオール・エレクトリック・バージョン車両の提供計画を立てており、2021年11月中旬に「BMW iX」と「BMW i4」という2つのフラッグシップ・モデルを市場投入した。BMWグループは来年以降もEV製品ラインを拡大し、「BMW 7シリーズ」および「BMW X1」のオール・エレクトリック・バージョンを導入予定。また「BMW 5シリーズ」も2023年に電動化ポートフォリオに加わる予定で、その後、傘下の自動車メーカー MINI から「MINI Countryman」を、同じく傘下のロールス・ロイスから「Rolls-Royce Specter」の新しいオール・エレクトリック・バージョンが登場する。BMWグループは今後10年間で、合計約1,000万台の完全な電気自動車を走らせることを計画。AM(Additive Manufacturing)製造におけるメタルバインダージェッティングは、電気自動車の航続距離を延ばすのに役立つ軽量部品やコンポーネントを製造するための重要な技術であると考えている。

デスクトップメタルの創業者兼CEOであるリック・フループ氏は「世界の主要な自動車メーカーと協力し、最終用途となる自動車部品の連続生産のため、AM製造技術の採用拡大を誇りに思っています。今回の画期的な受注は、当社のバインダージェッティングソリューションが、世界最先端の性能と経済性を備えていることを証明するものであり、AM製造による大量生産の実現に向けて精力的に取り組んできた当社のチームの努力の賜物です。」と述べている。


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