- 2018-11-27
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CEADは造船や建設用途に活用可能な大型3Dプリンタ『CFAM Prime 3D Printer』をリリース
オランダに本拠を置く3Dプリンタスタートアップ「CEAD」は、造船、インフラなどのエンジニアリングプロジェクトに向けて設計された大型コンポジット3Dプリンタ『CFAM Prime 3D Printer』を正式に発表した。関連記事はこちら
CFAM(Continuous Fiber Additive Manufacturing)と名付けられた大型3Dプリンタは、グラスファイバーやカーボンファイバーなどの繊維素材を含んだ材料を内部の加熱機構で温度管理することで、造船や工業用途に最適化された高強度の大型部品を造形することができる。
CEADは、ロッテルダムに本拠を置く海洋エンジニアリング会社大手「Royal Roos」と、繊維強化プラスチック製品および構造分野の業界リーダーである「Poly Products」の2社と提携。『CFAM Prime 3D Printer』を活用した実用的なプロジェクトを展開。
Royal Roosは既にCFAM Primeを使用して船舶用3Dプリント部品のテストを開始しており、その一つとしてGangway(舷門)を生産する方法を調査している。Royal Roosの代表は「これまでの3Dプリント技術では、大型で高強度な船舶用部品を製造することは不可能でしたが、CFAM Primeはその機能を十分に備えている。3Dプリンタは高速であるだけでなく、事前に原価を計算することが可能で、材料をリサイクルすることもできる。」と述べている。
提携先のひとつであるPoly Productsは、既にCFAM Prime 3D Printerを使用した独自のプロジェクトを展開。その一例として、1000以上のパネルを含むファサードピースの開発や、列車用に複数のアプリケーションを開発。3Dプリント技術を活用することで、金型を必要とせずにワンオフ製品を造ることができるようになり、人件費など高コストに繋がる要素も削減することが可能になる。
CFAM Prime 3D Printerは、4m×2m×1.5mの大きな造形領域と、1時間当たり15kg(最大25kg可)の大容量押出速度を備えた大型3Dプリンタで、PP、PET、ABS、PLA、PEEKなどのエンジニアリングプラスチック材料を高速に吐出することができる。これは、現在ヨーロッパで入手可能な3Dプリンタの中で最大である。
- スマートヒーティング/冷却システム サーモカメラを使用したリアルタイム調整機能
- シーメンス製CNCシステム
- ABS、PP、PET、PEEKなどの高温材料が処理可能
- 15kg /hの出力性能
- オペレーターの存在なしで24時間連続稼動が可能
最初のモデルとなるCFAM Prime 3D Printerの本体価格は約100万ユーロで、生産台数は年6台を予定している。また同社は、Royal RoosとPoly Productsからの投資に加え、Horizon2020プロジェクトの一貫として欧州委員会からも開発補助金を受け取っている。
世界的に観た3Dプリンタ市場は、より大型で高速な機器の開発が主流になりつつあり、今後も同タイプの大型3Dプリンタのリリースが続くことが予想される。
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