- 2020-8-22
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シンガポール国立大学の研究者、スマホの録音データと3Dプリンタで鍵を複製する技術を開発
シンガポール国立大学のコンピュータサイエンス博士課程1年目の学生であるSoundarya Ramesh氏を中心とした研究チームは、オーディオと信号処理技術、3Dプリンタを使用して、鍵を開ける際の音源から鍵を複製する技術を開発した。
錠前の多くはピッキングに弱いとされているが、ピッキングには専用の道具と専門的な知識と経験が必要とされている。
モバイルコンピューティングシステムおよびアプリケーションに関する国際ワークショップ第21回「HotMobile 2020」で発表された「SpiKey」と呼ばれるこの技術は、スマートフォンに搭載されている基本的な録音機能を利用し、鍵を開ける際のクリック音の時間差を取り込み、信号処理ソフトウェアで鍵の形状(鍵に刻まれた凹凸の深さ)を解析。その形状をコンピュータ上で3次元モデルに変換し、3Dプリントして鍵を複製することができる。
SpiKey の3つのステップ
最初のステップでは、ドアを開ける人に物理的に接近してスマートフォンのマイク機能で鍵使用時の音を録音。そこからSpiKeyが信号処理技術を使ってフィルタリングし、音源からクリックのタイミングを検出。
次にクリックのタイムスタンプを使用して、キーシャフトにどの程度深く凹凸が切り込まれているか、あるいは平らになっているかといったキーの凹凸の深さの相対的な違いを推測。
SpiKeyはその後、これらの情報を使用してキーコードを含む候補キーの小さなサブセットを取得する。
この研究成果を含む論文では、各ステップの詳細な概要を説明するとともに、複数のピンを持つ鍵について、SpiKeyがどのように処理するかの内容も示しており、鍵挿入時に記録されたスペクトログラムなどもオンラインで公開し、SpiKeyが複製キーを作成する際に使用する音声を視聴できるようにしている。
特殊なツールを必要としないこの方法は、スマホと音源を解析する専用アプリ、そして3Dプリンタがあれば、解析されたデータを元に再現された3次元データから3Dプリンタで鍵を複製することが可能となる。
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