4Dプリント技術で自己調整するリストスプリントを開発

イモ科の蔓植物をモチーフにした自己調整し変化する4Dプリント・リストスプリント

フライブルク大学とシュトゥットガルト大学の研究チームは、蔓植物をモチーフに、患者の解剖学的構造に合わせて自己調整するウェアラブル医療機器を4Dプリントする新しい方法を開発した。

このウェアラブル医療機器は、ニガカシュウ(Dioscorea bulbifera)という植物の繁殖メカニズムにヒントを得て開発された物で、水分に触れると複雑な動きをするようあらかじめプログラムすることが可能で、研究チームはこの手法を利用して、患者の腕に自動的に巻きつく整形外科用リストスプリントを4Dプリントした。

3Dプリントされた構造物の形状が時間とともに変化するように設計されている4Dプリントでは、電気刺激、熱、湿気など様々な方法で変形を誘発する。4Dプリントされたオブジェクトの多くは、インテリジェントに配置されたレイヤーや折り目を使って変形するようにあらかじめプログラムされており、希望の効果を得るために収縮したり拡張したりする。

今回研究チームが注目したのは、木の幹に巻きつきながら登ることができるつる性の植物「ニガカシュウ(エアポテト)」で、この植物にはスティピュールと呼ばれる芽が出ており、これが巻いた茎に張力を与え、宿主の植物を圧迫する力を発揮して宿主に巻き付きながら上部へ登ることができる。

本研究の詳細は「Bio-inspired Motion Mechanism: Computational Design and Materials Programming of Self-Adjusting 4D printed Wearable Systems」と題された論文に記載されており、本研究の共著者であるティファニー・チェン氏は、Materials Today誌の取材に対し次のように述べている「私たちは、生物学の機能的・構造的原理を工学的な材料システムに応用できることを示しました。私たちの研究は、生物学的に着想されたソリューションのデザイン空間と調整可能な機能性を拡大するための重要なステップです。」


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