3Dプリント巣箱がミツバチを救う

ミツバチの減少を食い止めるため開発された世界初の3Dプリント巣箱

スコットランドのエディンバラにある登録慈善団体 Lacrima Foundation(以下 ラクリマ)は、欧州と米国の養蜂家等と協力して、世界的に減少するミツバチを保護し、より自然な巣の環境を提供する再野生化プロジェクトのため、3Dプリント技術を活用した巣箱を開発した。

ミツバチは極めて重要な受粉媒介者((ポリネーター)として、食糧の生産に欠かすことができない昆虫であり、現代の食糧生産におけるミツバチのポリネーターとしての役割はより重要性を増し、地球生態系の多様性の維持や自然環境保全にも大きく貢献している。
しかしその一方で、集約農業、農薬、気候変動など、生態系に与える影響により世界中でミツバチの個体数が減少、壊滅的な打撃を受けている。

Photo : facebook.com/lacrimafoundation

ラクリマ財団は、入手可能なすべての研究データを統合して、ミツバチの健康を持続的に改善する方法について研究を進め、ミツバチが季節のリズムと相乗効果を発揮しながら、安定した生態系で生活できるようにするため、3Dプリント技術を用いた世界初の木製巣箱を開発した。この3Dプリントされた巣箱を木の幹の高い部分に設置することで、ミツバチにとって自然な状態を再現するとしている。

ラクリマ財団の会長であるVince Moucha氏は次のように述べている。
「私たちは、ミツバチの健康を改善することにより拡張性のある解決策を提供し、世界のミツバチ減少問題に取り組むため、独自の非営利組織を立ち上げ、国連の特別協議資格を申請することにしました。自然養蜂の分野で活動している人々や組織は他にもありますが、リソースへのアクセスや明確なビジョンが限られているため、これらのプロジェクトの影響や進歩、範囲はごくわずかであり、遅々として進んでいないのが現状です。私は責任感に駆られ、この問題の緊急性と重要性から行動を起こすことにしました。」

ラクリマ財団は今後、英国、欧州、米国の養蜂家とともに作業を進める予定で、同団体の公式サイトから寄付を受け付けている。


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