- 2018-8-6
- 3DCAD・3DCG, 最新情報
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3Dプリントに適したSTLデータ修復ツール18選
工業向けからエントリーレベルまで、殆どの3Dプリンタで標準化されている汎用型CADフォーマット「STL(Standard Triangulated Language/拡張子.stl)」。
三角ポリゴンで形成されるこのCADフォーマットでは、コンバート(ソフトウェア上でSTL形式に変換)される際、3Dプリントに適さない形状として書き出され、エラーとなる事が多々ある。
3次元ソフトウェア(3DCADや3DCG)の操作に慣れたユーザーであれば、モデリング段階から3Dプリントに適したデータを生成し、事前にエラーを回避することが出来るが、3次元ソフトウェアの操作に慣れていないユーザーがモデリングしたデータや、データ共有サイトなどから入手したデータ、3Dスキャナを利用し読み取ったデータなどは、部分的なポリゴンの欠落や反転など、様々な理由により3Dプリントに適さないSTL形式に変換される場合がある。
こうしたエラーデータを3Dプリントに適したデータへと変換する際、自動修復またはカスタマイズ性に特化した以下のようなツールが役立つ。
ハイエンドな環境では、より高機能な修復・カスタマイズツールも存在するが、非常に高額で一般ユーザーの利用には適さない。以下では、一般ユーザーが無料または比較的安価に利用できるツール(ソフトウェア)を中心に紹介している。
※ 一部プロユーザー向け有償ツールも含まれる。
Trinckle
ドイツの3DプリントサービスTrinckleが提供するWebベースシステム「Trinckle」は、プリント用ファイル(最大32MB)をアップロードするだけで、簡単に3Dモデルの分析とファイル修正を実行することができる。
解析と修復を終えたデータは、同サービスを利用してプリント注文することが可能。
- ツール名:Trinckle
- 対象ユーザー:Trinckleサービス利用者
- プラットフォーム:ブラウザ
- 価格:無料
- 対応フォーマット:ply, stl, 3ds, 3mf(最大32MBまで)
Sculpteo
Trinckle同様、Webベースツールとしてオンライン3Dプリントサービスに組み込まれる「Sculpteo」は、3Dファイルをアップロードするだけで即座に解析、修復、最適化を実行し、3Dプリントに適したファイルへと変換される。他のオンラインサービス同様、解析・修復されたデータは同社サービスを利用する場合にのみ適用される。
- ツール名:Sculpteo
- 対象ユーザー:Sculpteoサービス利用者
- プラットフォーム:ブラウザ
- 価格:無料
- 対応フォーマット
stl、obj、skp、off、ply、kmz、3ds、ac3d、ipt、dae、md2 / md3、q3o、cob、dxf、lwo、iges、stp、vrml、scad、zip、rar、tgz、carpart、 catproduct、cgr、sldprt、sldasm、iges、igs、sat、3dm、3mf、prc、u3d、x_t
3D Tools
Microsoftが提供する「3D Tools」は、Netfabb Cloud Service上からNetfabbのアルゴリズムによりスキンを実行し、STLファイルを解析。デスクトップバージョン「Netfabb」同様のSTL修復をWebベースで利用することができる。
修復されたデータは3Dプリント用にダウンロードすることが可能。
- ツール名:3D Tools
- 対象ユーザー:ホビーユーザー
- プラットフォーム:ブラウザ
- 価格:無料
- 対応フォーマット:stl、obj、3mf、vrml
3DprinterOS
Webベースの「3DprinterOS」は「Magic Fix App」を使用して、3Dプリント用途に適したファイルへと自動的にデザインを修復し、ライブラリに登録された3Dプリンタ用にレイアウトやスライシングを実行することができる。
また保存されたデータは、ダウンロードすることはもちろん、FacebookやTwitterなどのSNSで共有できるSkechfab形式としても書き出すことができる。
- ツール名:3DprinterOS
- 対象ユーザー:様々な目的でデータ共有を望むユーザー
- プラットフォーム:ブラウザ
- 価格:無料プランあり
- 対応フォーマット:3ds、3mf、amf、obj、stl
MakePrintable
強力な編集機能を備える「MakePrintable」は、200MBまでのファイルを受け入れ可能で、様々なファイルフォーマットに対応している。
無償版では簡易的な修復機能のみの提供となるが、有償版ではSTLファイルの修復はもちろん、中空やポリゴン数の最適化、複数のメッシュのマージ化などにも対応。また、修復を終えたデータは、Sketchup、Blender、Thingiverseなどへダイレクトに書き出せるシームレスなプラグインも備えている。
- ツール名:MakePrintable
- 対象ユーザー:経験豊富な3Dプリント愛好家やMaker
- プラットフォーム:ブラウザ
- 価格:無料、有料プレミアムプラン(月額 9.99ドル)
- 対応フォーマット
3ds、ac、ase、bvh、cob、csm、dae、dxf、fbx、ifc、lwo、lws、lxo、ms3d、obj、pk3、scn、stl、x、xgl、zgl
Materialise Cloud
「Materialise Cloud」は、オンライン3Dプリントサービス「i.materialise」が提供する強力な修復・カスタマイズツールで、オンライン上からデータを解析し、スケーリング、面厚設定、ポリゴン数調整、メッシュの中空化などを実行することができる。修復やカスタマイズを終えた3Dモデルはi.materialiseに直接送信され、そのままプリント注文することができる。
- ツール名:Materialise Cloud
- 対象ユーザー:i.materialise利用者
- プラットフォーム:ブラウザ
- 価格:1ファイル当たり0.7ユーロ~
- 対応フォーマット:3dm、3ds、3mf、dae、dxf、fbx、iges、igs、obj、ply、skp、stl、slc、vdafs、vda、vrml、wrl、zcp、zpr
MeshLab
「MeshLab」は、三角メッシュの処理と編集を行うオープンソースのソフトウェアで、メッシュ編集、レンダリング、テクスチャリングおよび変換のための一連のツールを提供。3次元ソフトウェアや3次元スキャナなどから作成されたRawデータを処理し、3Dプリントに適したモデルを作成するための機能を備えている。
- ツール名:MeshLab
- 対象ユーザー:経験豊富な3Dプリント愛好家やMaker
- プラットフォーム:Windows, Mac OS X, Linux, iOS and Android
- 価格:無料
- 対応フォーマット
3ds、ply、off、obj、ptx、stl、v3d、pts、apts、xyz、gts、tri、asc、x3d、x3dv、vrml、aln
3D Builder
最新のWindows OSに実装される「3D Builder」は、デスクトップPCやその他のMicrosoft製品(Windows Mobile、Xbox One、Windows Hololense)で使用できる無料の3Dモデリングソフトウェアで、モデルデータを3Dプリント可能なデータへと修復する機能を備えている。
- ツール名:3D Builder
- 対象ユーザー:ホビーユーザー
- プラットフォーム:Windows, Windows Mobile, Xbox One, and Windows Hololense
- 価格:無料
- 対応フォーマット:3mf、obj、ply、vrml、STL
Autodesk Meshmixer
高度なメッシュ編集機能を備える「Meshmixer」は、統合型モデリングソリューションを提供するAutodeskファミリー製品のひとつで、インポートしたデータのソリッド化や空洞化などのメッシュ編集だけでなく、スカルプティングなどのモデリング機能も備える。また、定期的に実行されるアップデートにより、新しい機能や細部のバグ修正が実装される。
- ツール名:Autodesk Meshmixer
- 対象ユーザー:初心者からプロフェッショナルまで、幅広いユーザー
- プラットフォーム:Windows, OS X, and Linux
- 価格:無料
- 対応フォーマット:amf、mix、obj、off、stl
Blender
プロフェッショナルユーザーも利用する3Dモデリングとアニメーション向けオープンソース3次元ソフトウェア「Blender」は、3Dプリントを目的としたメッシュ修正機能を備えており、誰でも無償で入手することができる。
- ツール名:Blender
- 対象ユーザー:3次元ソフトウェアに慣れた3Dプリント愛好家やMaker
- プラットフォーム:Windows, OS X, and Linux
- 価格:無料 ※トレーニングツールの利用は有償
- 対応フォーマット
3ds、dae、fbx、dxf、obj、x、lwo、svg、ply、stl、vrml、vrml97、x3d
FreeCAD
機械工学と製品設計を基本としたオープンソース3DCADツール「FreeCAD」は、STLファイルを修復する機能があり、STEP、IGES、STL、SVG、DXF、OBJ、IFC、DAEなど多くのオープンファイルフォーマットを読み書きすることができる。
- ツール名:FreeCAD
- 対象ユーザー:経験豊富な3Dプリント愛好家やMaker
- プラットフォーム:Windows, OS X, and Linux
- 価格:無料
- 対応フォーマット
brep、csg、dae、dwg、dxf、gcode、ifc、iges、obj、ply、stl、step、svg、vrml
Emendo
「Emendo」は、STLファイルの修復に特化した有償のツールで、3Dプリント前にSTLファイルに含まれる多くのエラーを自動修復することができる。
- ツール名:Emendo
- プラットフォーム:Windows, OS X
- 価格:89.95ドル
- 対応フォーマット:stl
Ansys SpaceClaim
エンジニアリンググレードの多彩な3Dモデリング機能を備えるノンフィーチャ・ノンヒストリー系CADモデラー「Ansys SpaceClaim」は、STLファイル内の問題領域を調べ自動修復する3Dプリント最適化機能を有し、リバースエンジニアリングモデルを編集、最適化し、迅速に3Dプリント用モデルを生成するワークフローを提供する。
また、複雑なブール演算機能を実装しており、複数のデータセットを簡単に1つにまとめることもできる。
- ツール名:Ansys SpaceClaim
- 対象ユーザー:経験豊富な3次元CADユーザー
- プラットフォーム:Windows, Linux
- 価格:要問合せ
- 対応フォーマット
acis, pdf, amf, dwg, dxf, model, CATpart, CATproduct, crg, exp, agdb, idf, emn, idb, igs, iges, bmp, pcx, gif, jpg, png, tif, ipt, iam, jt, prt, x_t, x_b, xmt_txt, xmt_bin, asm, xpr, xas, 3dm, rsdoc, skp, par, psm, sldprt, sldasm, stp, step, stl, vda, obj
MeshFix
オープンソースのSTL修正ツール「MeshFix」は、メッシュデータ上の穴や非多様体、交差などの欠陥を修復することができる。Windowsのみに対応し、修正機能的には簡易的なレベルに留まる。
- ツール名:MeshFix
- 対象ユーザー:ホビーユーザー
- プラットフォーム:Windows
- 価格:無料
- 対応フォーマット:stl
Open3mod
3Dデザイナー、3Dプリント愛好家向けの無償のオープンソースツール「Open3mod」は、多彩なフォーマットをサポートし、3DCADライクな高度なユーザーインターフェースやアニメーション機能を備えている。
現バージョンでは含まれていないが、近々3Dプリント用途向けのメッシュ修正機能を実装することを予定している。
- ツール名:Open3mod
- 対象ユーザー:経験豊富な3Dプリント愛好家やMaker
- プラットフォーム:Windows
- 価格:無料
- 対応フォーマット
obj, 3ds, blend, stl, fbx, dxf, lwo, lws, md5, md3, md2, ndo, x, ifc, collada
Autodesk Netfabb
Autodesk傘下となり新たにリリースされた「Autodesk Netfabb」は、業界標準のSTL修復ツールのひとつで、非常に強力な自動、半自動、手動のメッシュ修正・カスタマイズ機能を備えたプロフェッショナルユーザー向けツールである。
- ツール名:Autodesk Netfabb
- 対象ユーザー:多目的な機能を必要とするプロフェッショナル
- プラットフォーム:Windows
- 価格:月額30ドル〜(トライアル版あり)
- 対応フォーマット
iges, igs, step, step, jt, model, catpart, cgr, neu, prt, xpr, x_b, x_t, prt, sldprt, sat, wire, smt, smb, fbx, g, 3dm, skp
LimitState:FIX
“他のツールでは不可能な3Dモデルを修正する”をコンセプトに独自に開発されるPolygonicaテクノロジーを使用する「LimitState:FIX」は、マージやノイズシェル除去、メッシュの単純化などの高度な自動修復機能を備えるプロフェッショナルユーザー向けツールである。
- ツール名:LimitState:FIX
- 対象ユーザー:多目的な機能を必要とするプロフェッショナル
- プラットフォーム:Windows
- 価格:メイカー版 630ドル、エンタープライズ版 3,788ドル(USD)
- 対応フォーマット:stl
Cur3d
高度な生産能力を有する総合型STL修復ツール「Cur3d」は、再スケールされたデータを3Dプリンタの解像度などに応じて自動的に修復することができる機能を備え、多数のSTLファイルをバッチモードで処理することができる。
- ツール名:Cur3d
- 対象ユーザー:多数のSTLファイルを修復する必要があるプロフェッショナル
- ラットフォーム:Windows
- 価格:メイカー版 49.99ユーロ、プロフェッショナル版 2,995ユーロ(年額)
- 対応フォーマット
stl, ply, 3ds, ase, c4d, fbx, dae, blend, obj, ms3d, ifc, lwo, lws , ac, lxo, xgl, zgl, gltf, glb, x, amf, x3d, wrl, stp, igs
ソース:all3dp
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