小麦ふすまベースのフィラメント「GF3D Branfill3d」

ゼロ・ウェイストと3Dプリンティング技術の融合を実現フィラメント「GF3D Branfill3d」

生分解性のエコロジー素材と3Dプリンティング技術を研究するポーランドのプラスチック加工会社 GREENFILL3D は、小麦ふすま(小麦粒の外皮や胚芽などの表皮の部分)をベースに、ゼロ・ウェイスト(廃棄物ゼロ)や循環型経済といった現代的なコンセプトに基づいたリサイクルフィラメントGF3D Branfill3d」を開発した。

「GF3D Branfill3d」は、パスタや麺を製造する際に出る廃棄物である小麦ふすまと、ポリ乳酸(3Dプリントでよく使われるバイオプラスチック)、その他の生分解性材料の複合材料から作られたリサイクルフィラメントで、「GF3D Branfill3d」で3Dプリントされた部品は弾力性があり、適度に柔軟であるため破損しにくいという特性を有している。これらの特性は、小麦ふすまの繊維構造によるところが大きく、3Dプリントされた部品に弾力性と滑らかな表面仕上げを与えている。さらに「GF3D Branfill3d」は、3Dプリント工程で、パンを焼いた時のような香りがするのを特徴としている。

このフィラメントの製造に当たっては、ポーランド最大の民間食品企業であり、中・東欧最大級の企業 MASPEX グループが、GREENFILL3Dにパスタの廃棄物である小麦ふすまの原料を供給。原料の小麦ふすまは非常に吸湿性が高いため、必要な低分子量までふるいにかけられ、水分がほとんどなくなるまで注意深く根気よく乾燥された後、小麦ふすまは他の材料と混合して3Dプリント用フィラメントに加工される。

GREENFILL3Dは、40台以上の3Dプリンターを利用して、フィラメントと同じ小麦を原料としたパスタ商品を紹介する広告スタンドをプリント。このスタンドは34のパーツから構成されており、モジュールを追加することでさらに拡張することができる。

このプロジェクトは、ゼロ・ウェイストや循環型経済の考え方に完全に合致しているだけでなく、小麦ふすまの特性を活かした日用品や装飾品、工業製品まで様々な用途に使用することができる。現在GREENFILL3Dのチームは、一部の自動車業メーカーを対象に、「GF3D Branfill3d」を用いたアプリケーションのテストを行っており、今後は他の業界にも展開を予定している。


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