日本企業が仏のセラミック3Dプリンタメーカー3DCeramを買収
愛知県名古屋市に本社を置く日本の大手鋳造設備メーカー新東工業は、セラミック事業拡大の一環として、フランスのセラミックス3Dプリンタメーカー 3DCeram(3Dセラム)に資本参加することを発表した。新東工業は、2017年10月中に3DCeram株の75%(約13億円)を取得し、同社を連結子会社とすることを決定した。
新東工業は、セラミックス3Dプリンタの優れた点として「形状の自由度が高い」「短納期の対応が可能」など、従来の成形法にはない優位性があるとして、このメリットが活きる市場である医療分野(人工骨、人口歯、人工関節等の生体材料)、航空宇宙分野(タービンブレード用セラミックス中子等)、エネルギー分野(触媒、熱交換器)を含め、将来的に拡大することが予測される二次電池分野や新規市場への事業拡大を計画。
同社が資本参加する3DCeramは、フランスCNRS(フランス国立科学研究センター)の一部門であるSPCTS(国立セラミックス・表面処理研究所)を母体に設立された会社で、セラミックス3Dプリンタおよび3Dプリント製品の受託製造を手がけている。
3DCeramは、同業他社と比較し、数倍の大型製品を製造できる緻密で複雑な造形が可能なセラミック3Dプリンタをラインアップ。また材料開発分野においては25年の経験を有しており、医療用アパタイトから構造用セラミックスのアルミナ、ジルコニア、窒化珪素などの製品を提供している。
セラミックス3Dプリンタ CERAMAKER900
新東工業のセラミックス事業は、国内メーカー向けに液晶・有機ELや半導体関連の大型セラミックス部品が多く、さらに事業を拡大していくためには、従来と異なる市場や商品サイズ、海外への展開が急務とされていた。今回の資本参加を通じ、同社の持つセラミックス成形技術や国内外の顧客・拠点ネットワークと、3DCeramの装置・製造に関するノウハウや最新の知見を融合させることで、3Dセラミックス事業のトップシェアを目指すとしている。
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