3Dプリント自動車の製造元ローカルモーターズが事業停止

3Dプリント自律走行シャトル「olli」の製造元であるローカルモーターズが事業を停止

アリゾナ州に本拠を置く自動車メーカーで、3Dプリンタで製造された自律走行車「Olli」の製造元である Local Motors(ローカル・モーターズ)が、2022年1月14日(金)に閉鎖されたことが、同社従業員数名のLinkedinへの投稿により明らかになった。

2007年に設立されたローカル・モーターズは、2016年に最初の3Dプリント製自律走行シャトルバス「Olli」を発表(関連記事はこちら)。IBMの人口知能『Watson』を搭載した12人乗りの自動運転バス「Olli」は、車体の25%に3Dプリンタで直接造られた部品を使用し、他の25%にも3Dプリント技術をベースにした鋳型を利用し製作された部品を用いるなど、全体の50%に3Dプリント関連部品を採用した3Dプリント製自律走行シャトルバスを展開。この「Olli」は、部品の一部に Cincinnati Incorporated のBAAM(Big Area Additive Manufacturing)3Dプリンタを使用しており、都心部の様々な環境で使用できるようカスタマイズすることが可能で、ドイツ鉄道では、6カ月間のパイロットプログラムの一環として、ベルリンで1日に100人以上の乗客を運んだ。

ローカル・モーターズは、2018年にフロリダ州に本社を置く駐車場・輸送管理サービス企業 Elite Transportation Services(エリート・トランスポート・サービス)と、テキサス州に本社を置く輸送リース企業 Xcelerate(エクセルレート)らと提携し、3Dプリントシャトルバス「Olli」の運営支援と車両開発融資に必要な資金として、総額10億ドル超を調達。その後も資金調達を続け、2020年10月には「Olli」の継続的な研究開発のために1500万ドルの追加資金の調達に成功している。

ローカル・モーターズは、今回の事業停止に伴う正式なコメントを未だ発表していないが、多くのスタッフが積極的に新しい仕事を探しており、車両の生産プロセスも閉鎖されたことがうかがえる。また、Local Motorsの元販売・カスタマーサクセス担当副社長であるChris Stoner氏は、Linkedinへの投稿で「1月14日をもって、Local Motorsが消滅することをお知らせするのは残念でなりません。私は数カ月しか在籍していませんでしたが、そのすべての瞬間を愛していました。」と述べている。
更に、同社の元情報技術担当副社長であるJeff Hollowell氏はLinkedinの投稿で「ローカル・モーターズは、その扉を閉じたが、チーム全員と一緒に仕事ができたことは、エキサイティングで、チャレンジングな経験でした。私はリーダーとして成長し、新しいスキルを学び、次の道に進むことができます。一緒に仕事をすることができたすべてのチームメンバー、パートナーに感謝します。」と述べている。

今回の問題に対し自動車ニュースサイト「The Drive」は、事情に詳しい匿名の情報筋からの情報として、ローカル・モーターズの閉鎖は「資金不足に尽きる」と報じている。またこの情報源によれば、同社の閉鎖は昨年末にオンタリオ州で報告された事故とは無関係としているが、事故後「Olli 2.0」のテスト停止され、新型コロナウィルスによる影響なども重なり、資金繰りが悪化した可能性が指摘されている。しかし、同社CEOのVikrant Aggarwal氏は、2021年10月に「Olli」を商業的にも運営的にも拡大することを約束していた。

「Olli」の失墜は、同業界によって後退を意味するが、3Dプリントは自動車業界全体に広がり続けており、世界有数の自動車メーカーの多くがその技術を業務に活用している。


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