総入れ歯を3Dプリンタで製作できる材料

総入れ歯を3Dプリンタで製作できる材料が職人技を再現し、作成時間も大幅に縮小

海外の歯科器材を日本市場で卸販売する歯科医療商社である名南歯科貿易は、3DプリンタでフルデンチャーやTEK(仮歯)が製作できる「薬事クラスⅡ」認証済みの3Dプリンタ用樹脂「フリープリント デンチャー」及び「フリープリント テンプ」の販売を開始した。

総入れ歯のうち、「床」と呼ばれる歯肉部分となるのが「フリープリント デンチャー」、歯の部分となるのが「フリープリント テンプ」で、これらをそれぞれ3Dプリンタで積層し、歯科用接着剤で固定することで、短時間で精度の高い総入れ歯を簡単に作成することができる。

フリープリント デンチャー」及び「フリープリント テンプ」の3つの特徴

  1. 日本国内で医療機器クラス2認証を取得した、生体親和性のある3Dプリンタ樹脂。
  2. デンチャー(床用)素材は110Mpa以上と、高い曲げ強度で割れにくい。
  3. 鮮やかで自然な色味をもち、患者様の口腔内でも自然な仕上がりを実現。

「フリープリント デンチャー」及び「フリープリント テンプ」誕生の背景

技工士の世界では、熟練人材の不足が鮮明になっており、50歳以上のベテランがまだまだ多く、若手の技工士は3年で約7割が辞めてしまう世界。一方で、高齢化を背景に歯科医療の現場で入れ歯のニーズが増えることは間違いなく、義歯作成の効率化が急務となっている。入れ歯の床と歯になるそれぞれの樹脂が日本で「クラスⅡ」の認可を受け、口腔内で使用するための安全性や品質面をクリア。これにより、3Dプリンタを使った入れ歯の作成の道筋が開けたため販売を開始。

「フリープリント デンチャー」及び「フリープリント テンプ」の使い方・利用シーン

口腔内スキャナや3Dスキャナを使用して、まずは患者様の印象データを取得。その後、コンピュータ上で総入れ歯を設計できる歯科用CADソフトウェアに取り込み、総入れ歯のデザイン・設計を行い、完成して出力したデータを3Dプリンタへ転送。その後「フリープリント デンチャー」で総入れ歯の床の部分、「フリープリント テンプ」で総入れ歯の歯牙の部分をそれぞれ積層して、超音波洗浄機や窒素充填式の光重合器を使用するなどして適切に後処理を行う。最後に歯科用接着剤で接着することで、短時間で精度の高い総入れ歯の製作を行うことができる。


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