3Dプリント時の品質管理を実現する技術で特許取得

3Dプリント中に発生するエラーやサイバーハッキングを回避するための品質管理技術で特許取得

ノースダコタ州立大学(NDSU) コンピュータサイエンス学科のジェレミー・ストラウブとノースダコタ大学(UND) のベンジャミン・ケーディングとスコット・ケーリンの研究チームは、独自のアルゴリズムを用いた画像解析ソフトウェアにより、3Dプリントの進行状況を監視し、エラー検出する3Dプリント品質管理システムを開発。
この解析技術は、3Dプリンタのハッキング問題を回避する技術としても活用される。

彼等の開発したイメージベース3Dプリント品質管理システム(imaging-based 3D printing quality control system)は、「Characterizing 3D Printed Objects for 3D Printing.」というタイトルで特許を取得した。


しきい値レベルの検討:(a)完全なオブジェクト(b)部分的にプリントされたオブジェクト(c)部分的オブジェクトと完全オブジェクトの間の相違

UNDの研究チームはテスト環境として、MakerBot Replicator 2 3Dプリンタの周りにRaspberry PiRaspberry Pi カメラで作成した5つのカメラユニットを配置。
プリンタを取り囲むように配置されたカメラユニットから取得した画像をベースに、独自のアルゴリズムを用いた画像処理ソフトウェアがプリントの進捗状況をモニタリング。
ディープラーニングを用いた技術によりハードウェアなどの不具合を監視、3Dプリンタに何らかのトラブルが発生した際、3Dプリンタに修正指示を送信したり、3Dプリントプロセスを停止(スリープ)させて、手作業による補正作業を行うことができるよう設計されている。

また、この品質管理システムには、データに含まれる潜在的な欠陥を特定する検証機能が含まれており、外部ハッキングによる不正な操作や、データに含まれる不法な情報(著作権侵害や、武器など)を識別することができる。

未だ研究段階のシステムではあるが、今後センシング技術やソフトウェアの機能が向上され、より複雑で高精度な分析機能が実装されれば、3DCADデータと実際の3Dプリントプレセスによる自動補正機能も実現可能となり、3Dプリント品質を大幅に向上させることができる。
これは既存の業界にとって非常に魅力的な機能であることは間違いない。


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