- 2018-4-10
- 実機レポート, 最新情報
- 3DPrinter, 3DPS, 3Dプリンター, 3Dプリンティング, Form 1, Form 2, Form Cure, Form Wash, Formlabs, Kickstarter, SLA, The Form 1, クラウドファンディング, テクノロジー, 仕上げ加工, 光造形, 表面仕上げ
Formlabsのフィニッシュツール Form Wash と Form Cure を利用した3Dプリントワークフロー
デスクトップタイプSLA方式3Dプリンタで、圧倒的なシェアを有するFromlabs社の高精度3Dプリンタ『Form 2』
※「Form 2」の販売終了し、次期モデル「Form 3」がリリースされました。
このプリンタが採用する造形方式「SLA(光造形)」でプリントされた造形物は「洗浄」「紫外線硬化」という二つの後処理工程が必須となりますが、3Dプリント作業に慣れていないユーザーや、短時間で作業を完了させたいヘビーユーザーにとって、こういった後処理工程は極力軽減したいところでしょう。
常にユーザーライクな3Dプリント環境を提供する同社は、この面倒な後処理工程を効率化するための専用ツール「Form Wash」と「Form Cure」をリリースしています。
製品版のリリースも始まり、すでに利用しているユーザーも多いと思いますが、今回のレポートでは、Form 2、Form Wash、Form Cureの導入を検討中のユーザーに向け、3Dプリントから洗浄、紫外線硬化までの一連の工程について、基本的な操作方法を中心にご紹介したいと思います。
Form 2で検証用モデルを3Dプリント
今回の検証用モデルの出力には、Formlabsの最新スタンダード材料「Grey Resin(GPGR-04)」と、長寿命&容量増タイプのレジンタンク「Resin Tank LT」を使用しています。
尚、今回のレポートでは、Form Wash及びCureの情報をメインにお伝えするため、Resin Tank LTに関する詳細については後日改めて紹介します。
検証用モデルを3Dプリント
先ずは、通常の手続きに則って材料カートリッジとレジンタンクをセットし、検証用モデルの3Dプリントを行います。
Form 2にセットしたResin Tank LT
Grey Resinの性能の高さについては、過去のレポートでもお伝えした通りですが、0.05mm設定で出力した今回の検証用モデルも、非常にキレイに造形できていることが確認できます。
改めて出力したモデルの細部を確認すると、新しくなったGrey Resinは、これまでの同材料よりも更に造形精度が向上したように感じられるため、この辺りの詳細な検証については、後日機会があれば試してみようと思います。
造形直後の検証用モデル
出力を終えた検証用モデルは、無駄な材料を落とすため数分間放置し、Form Washによる洗浄作業へと移行します。
Form 2からForm Washへは、プラットフォームごと移動
Form Wash で自動洗浄
Form 2ユーザーの中には、既にForm Washを入手した方もいらっしゃると思いますが、既存ユーザー以外の方にForm Washについて知ってもらうため、先ずはForm Washの概要について簡単に説明したいと思います。
Form Washとは
Form Washは、Form 2で3Dプリントされた造形物の表面から、未硬化のレジン(液状樹脂)を自動的に清掃するためのツールで、後述する「Form Cure」と合わせ、一連の3Dプリントワークフローを効率化することを目的に開発された洗浄専用器具です。
Form Washの購入はこちら https://3dprinter.idarts.co.jp/items/11910138
Form Washの本体には、洗浄工程で必要な付属工具類をしまえる格納式のポケットが装備されており、工具類の置き場所にも困らぬよう設計されています。こういった細かな部分への配慮は、正にFormlabsらしい仕様と言えます。
洗浄液(IPA)の取扱いについて
Form Washを利用するには、高濃度のアルコール(IPA/イソプロピルアルコール)の使用が必須となるため、設置環境を含め、安全面に対する十分な配慮が必要です。Formlabs社公式サイトでは「セーフティーガイド(英語)」が掲載されており、使用上の注意事項について確認することができます。
- From Wash セーフティガイド
- イソプロピルアルコール(IPA)使用上の注意事項
※ Form Wash利用時に必要な道具リスト
Form Washによる洗浄作業
Form Washに規定量のIPAを注いだら、前面にあるジョグダイアルから「Open」を選択し押し込み、本体内にあるバスケットマウントを上昇させます。
上昇したバスケットマウントが停止したら、造形物が着いたままのプラットフォームを設置し、ジョグダイアルから洗浄時間を設定して「Start」
※ 材料毎の推奨洗浄時間については、同社サイトに公開されている情報を参考にします。
基本的な作業はここまでで、指定した時間で洗浄を終えると、バスケットマウントが自動的に上昇しながら蓋を開け、洗浄作業を完了します。
指定した時間で洗浄を終えた造形物は、洗浄液(IPA)が完全に蒸発するまで(30分程度)待ち、Form Cure作業へと移行します。
洗浄を終え、自然乾燥中の造形物
Form Cure で精度の高いポストキュア体感
Form Cureとは
Form Cureは、3Dプリント造形物を硬化させるのに必要な光と熱を提供する硬化専用ツールで、Form 2材料に適した紫外線硬化(ポストキュア)を、初心者でも簡単に実行することができる紫外線硬化用器具です。
Form Cureの購入はこちら https://3dprinter.idarts.co.jp/items/11910107
Form Cureによる硬化作業
上述したForm Washによる洗浄工程を終え乾燥させた造形物は、Form Cureを使って紫外線硬化を行います。
Form Cure投入前に、造形物に付着していた洗浄液(IPA)が取り除かれたことを改めて確認し、本体のターンテーブルに設置します。
材料に適した温度と硬化時間は、公式サイトにある「硬化時間と温度の設定」に掲載されているため、使用する材料に合わせた数値を参考に、本体ジョグダイアルからヒーターの温度と硬化時間を設定します。
温度と時間の設定を終えスタートさせると、設定温度まで庫内温度を上昇させ、その後ターンテーブルの回転と同時に紫外線照射が開始されます。
その後は何もせず、ただ待つだけ。指定時間に達したForm Cureは、ターンテーブルの回転と紫外線照射を自動停止するので、造形物を取り出します。
上述の通り、Form WashとForm Cureを利用したフィニッシュ作業は非常に簡単で、Form 2ユーザーであれば特別な知識を必要とせず、効率的に仕上げ作業を完了することができます。
特に紫外線硬化の工程は重要で、誤った方法で硬化を行うと、造形物が反ったり割れたりと、意図しない結果に繋がる場合もあります。せっかく高精度で造形した作品は、材料に適した最適な方法で仕上げ加工されるのがベストです。
DMS名古屋で実機展示
今回のレポートで紹介したForm WashとForm Cureは、4月11日から13日まで、ポートメッセなごやで開催される『名古屋 設計・製造ソリューション展(DMS名古屋)』に出展する同社ブース(ブース番号 17-52)にて展示されるため、気になる方は是非そちらで実機確認してください。
Formlabs製品の購入について
id.arts(アイディーアーツ株式会社)では、Formlabs社製品「Form 2」「Form Wash」「Form Cure」を販売しております。
オンラインショップ https://3dprinter.idarts.co.jp/
導入前の技術的な質問や導入後の運用方法含め、3Dプリンタに関する様々なご相談・支援をおこなっております。詳しくはこちらからお問い合わせください。
関連記事
- ユーザビリティの高さが特徴の高精度3Dプリンタ「Form 2」
- Formlabsは画期的な2つの後処理ツールを発表
- 透明アクリル素材の研磨事例
- 従来の20倍長寿命なレジンタンク
- 壽屋はフィギュア試作にForm 2を導入
- Formlabsワンフェスで「Color Kit」サンプル初展示
- 昆虫食のための3Dプリントツール
- タイムズスケアに設置された世界最大の3Dプリントレンズ
- Formlabs新型レジンとカスタムイヤホンプロセスを発表
- Formlabsは好みの材料色を調色できるカラーキットを販売
- Formlabsは新しい歯科用樹脂をリリース
- Form 2でフレキシブル素材を検証
- Form 2で熱光学ピストルを制作
- Formlabsは自動3DプリントシステムとNBとの提携を発表
- FormlabsからSLS方式3Dプリンタが登場
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp