ユーザビリティの高さが特徴の高精度3Dプリンタ「Form 2」

​実務レベルで活用できる高性能3DプリンタFormlabs『Form 2』

2013年、Kickstarterで記録的な資金調達に成功し、世界中で話題となったFormlabsのデスクトップタイプ3Dプリンタ「Form 1」

低価格 & 高性能なデスクトップタイプのSLA方式3Dプリンタとして「Form 1」シリーズをラインアップした同社は、その後も順調に成長と拡大を続け、2015年にForm 1シリーズの後継機に当たる最新モデル『Form 2』をリリースした。

今回の記事では、実際にForm 2を利用するユーザーの目線から、Form 2の基本性能やその特徴について紹介している。

Formlabsの最新モデルForm 2は、小規模な事業所などでも導入し易い50万円台と低価格ながら、ハイエンド3Dプリンタに匹敵する高精細な造形品質と、豊富な材料バリエーションにより、デスクトップタイプのSLA方式3Dプリンタとして世界的なシェアを有する3Dプリンタで、モノづくりや製品開発に従事するプロでも十分に満足できる性能と、高いユーザビリティを有している。

特徴 その1:高精細な造形精度

本サイトの過去記事や他メディアでも紹介されている通り、Formlabsの最新モデル「Form 2」は、ハイエンドな工業用SLA方式3Dプリンタに匹敵する高精細造形が可能でありながら、国内本体価格548,000円と、イニシャルコストを低く抑えたい小規模事業者やFab施設、教育機関などでも導入しやすい製品となっている。

工業製品などのデザイン・開発の現場では、機械加工される製品のモックアップにかなりの精度を要求する必要があるが、Form 2用の最新樹脂材料「Grey V3」など幾つかの材料では、レイヤーピッチ0.025mmの精度で造形することができるため、実務レベルでも十分に活用することができる。

下写真は、最新の樹脂材料「Grey V3」を使用し、レイヤーピッチ0.05mmで造形した意匠検討用の腕時計モックアップ。このように金属加工が想定される部品のモックアップでも、シャープなエッジがキレイに再現できていることがわかる。

毎年数多くの工業製品のデザインを手掛けるid.artsでは、これまで利用してきたハイエンド3Dプリンタ(光造形方式やインクジェット方式)によるモックアップから、Form 2へシフトしているが、十分に実務レベルで活用できている。

ラグやベゼルのエッジもシャープに再現されている

精度の高さはもちろんだが、実務レベルでの活用で最も重要なのは、造形エラーなどのトラブル発生率の低さである。限られた日程で造形を必要とする実務レベルでは、本体や材料を原因としたエラーの発生は極力避けたい。

Form 2は、初期モデルのForm 1で課題となっていた動作安定性能が飛躍的に向上し、エラー発生率が極端に低下した。実際、実務で利用する弊社の環境下では、本体や材料を原因としたエラーは、いまのところほとんど発生していない。

また、小規模な施設での利用を考えた場合、本体の動作音や樹脂材料の臭いが気になるが、どちらも気になるレベルではないため、デスクトップに設置していても問題なく利用できる。

これだけの性能を有していながら、数千万円するハイエンド機に匹敵するForm 2は、小規模なデザイン事務所などでも活躍するはず。

 

Form 2 の基本スペック

  • 造形エリア:145 x 145 x 175 mm
  • レイヤーピッチ:25, 50, 100 microns
  • 電源:100-240V, 50/60Hz 1.5A, 65W
  • レーザー:Class 1 laser, 405nm violet laser, 250 mW laser
  • プリント方式:SLA
  • ソフトウェア:PreForm(対応OS:Windows7+, OSX 10.7+)
  • データフォーマット:STL, obj
  • インターフェイス:USB接続、Wifi、Ethernet
  • 本体操作:タッチパネルディスプレイ
  • 本体重量:13kg
  • 本体サイズ:350 x 330 x 520 mm
  • 本体価格:549,800円(税別)
  • Formlabs公式サイト:https://formlabs.com/ja/
  • SNS:FacebookTwitterInstagram

特徴 その2:ユーザビリティ

Form 2の特徴のひとつであり、優れている点は、何と言ってもそのユーザビリティの高さだろう。
利用者目線で考えられた使い勝手の良さは、3Dプリンタを日常的に利用するユーザーにとって、最も重要な要素となる。

カーリッジによる簡単材料交換
Form 2で使用する材料はカートリッジ式になっており、本体に必要な材料カートリッジをセットするだけで、手を汚すことなく簡単に材料の交換ができる。
また、本体にセットされた材料は後述する「Dashbord」機能によってモニタリング可能となり、材料の利用状況などをリアルタイムで確認することもできる。


本体にカートリッジを差し込むだけで準備完了

プリントスタート後、自動的に樹種タンクへ材料が供給される

PreForm ソフトウェア
「PreForm Software」は、高度な専門的な知識がなくても、ワンクリックで簡単に3Dプリントを開始することができるFormシリーズの専用ソフトウェア。
選択した材料やレイヤーピッチに合わせ、最適なサポートを自動計算。同タイプの他社製品で使用されるソフトウェアと比較しても、サポートの精度の高さは突出している。

データにエラーがあればPreForm上から自動修復も可能

リアルタイムでモニタリング可能なクラウドツール「Dashboard」
Form 2を利用する上で欠かす事の出来ないツールのひとつが「Dashboard」だ。
Dashboardは、オンライン上に接続された複数のForm 2プリンタの稼働状況、過去のプリントログ、現在までに使用した材料と消費量、プラットフォームの使用状況など、ネットワーク上にある全てのForm 2プリンタの詳細を、何処にいてもリアルタイムでモニタリングすることができるクラウドベースのWebツールとなっている。


Dashboardは、Web上からの動作確認の他にメールやSMSへの通知も可能

また、各樹脂タンクとカートリッジには、樹脂タイプを検出、追跡、照合するために用いられる独自のIDチップが設置されており、プリンタ本体にセットされている材料カートリッジの残量や使用回数などをリアルタイムで確認することができる。

Dashboardは、材料カートリッジなどの消耗品のオーダーについても使用状況に応じてタイミング良くアナウンスしてくれるため、造形中に材料が無くなりプリント作業が停止してしまうような致命的なミスも軽減させることができる。

特徴 その3:豊富な材料バリエーション

以前の記事「Formlabsがエンジニア向け高耐久性樹脂をリリース」でも紹介した通り、Form 2には様々な用途に適した材料がラインアップされており、ユーザーは目的や用途に応じて簡単に材料の選択や交換を行うことができる。

エンジニアリンググレード樹脂『Durable Resin』


80Aデュロメータゴムに適合したFlexible(柔軟)


生体適合性歯科用樹脂材料「Dental SG Resin」

その他にも、焼結後に陶器のように硬化するセラミック樹脂「Ceramic Resin(開発中)」など、今後も様々なタイプの樹脂材料のリリースが期待される。

特徴 その4:後処理工程

Form 2は、造形後の後処理工程でもユーザー目線に立った考慮がされている。

本体に付属する後処理用ツール「フィニッシュキット」は、ユーザーが効率よく洗浄作業を終えられるように設計されたツールとなっている。

造形物を剥がす際に役立つプラットフォーム専用固定冶具

基本的な洗浄作業は、付属のタンクに充填したIPA(イソプロピルアルコール)に漬けるだけだが、非常に作業性が良い。

例えば、写真の穴あき台は洗浄用容器に付属するものだが、洗浄時や洗浄後の造形物を取り出しやすくするだけでなく、自然乾燥時にも非常に役立つ。

この持ちてには小さな突起があり、使用中に台が落下しないような工夫がされている。こういった細かい部分への配慮も、ユーザーにとっては重要である。

より効率化した後処理ツール

Formlabsは、Formシリーズの後処理工程をより効率化するためのソリューションとして、自動洗浄機『Form Wash』と、ポストキュア専用機『Form Cure』を発表している(出荷開始予定 2017年9月)。

この二つの後処理ツール(詳細はこちら)を利用することで、ユーザーはより高効率的に3Dプリント作業を終えることができる。
この辺りのユーザービリティの高さは、同価格帯の他社製品では見られない非常に優れた部分と言える。

まとめ

非常にザックリした内容となってしまったが、以上がForm 2の基本的な特徴となっている。

弊社では、3Dプリンタの導入など、専門的な支援を行う様々なコンサルティングサービスを提供しているが、「低予算で高精度な3Dプリンタを導入したい」というユーザーには、候補機種のひとつとして必ずForm 2をおススメしている。
もちろん利用者の用途にもよるが、現状でこの価格と性能をバランス良く備えたForm 2は、高いコストパフォーマンスで他社製品を凌駕していると言っても過言ではない。

今回紹介したForm 2の購入については、弊社問い合わせフォームからご相談ください。また、購入機器の選定や、導入前後の運用でお悩みのユーザーは、弊社のコンサルティングサービスをご利用ください。

 

今回は大まかな性能の紹介だけとなってしまったが、次回以降公開予定の関連記事では、下記のような実務レベルでの活用方法などを紹介予定。

  • デザインの現場で活用できるForm 2(仮題)
  • Form 2を使ったプロップデザイン案(仮題)
  • Form 2で、より実践的な建築・インテリア模型を製作(仮題)
  • Form 2を使った3Dプリントパーツで実使用部品を制作(仮題)
  • Form 2で高精細なクリーチャー制作(仮題)
  • その他、材料毎の実機レポートなど

関連記事

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

   

ページ上部へ戻る