3Dプリント技術で乳癌治療法を追求する

研究者はFFF方式3DプリンタとPLA材料で生成された足場が悪質な乳癌細胞を単離する事を証明

スペイン・カタルーニャ州にあるジローナ大学の生物医学研究チームは、デスクトップタイプのFFF方式3Dプリンタを使用した安価な3Dプリント製の足場を利用し、悪性度の高いトリプルネガティブ乳癌幹細胞を分離する方法を発見した。

トリプルネガティブ乳癌(TNBC)は、生物学的悪性度が高く、化学療法または放射線療法を受けた後でも30%程度の患者が3~4年以内の早期に再発する可能性が高い癌の一つで、明確な治療の目的が存在しないことが最大の課題とされている。

研究チームはこの治療法を研究するため、デスクトップタイプのFFF方式3Dプリンタを使用し、身体の組織および繊維に見られる構造と同様の足場を作製。トリプルネガティブ乳癌幹細胞を単離する(様々なものが混合している状態に有るところから特定の要素のみを取り出すこと)で、体内の健康な細胞を傷つけることなく、癌細胞を直接的かつ排他的に攻撃する薬物の開発を促進することを目指している。

チームはこの研究素材を生成するため、BCN3D TechnologiesのFFF方式3Dプリンタ「Sigma」と、白色PLA材料を使用し、レイヤー高さ、インフィル密度、インフィルパターン、フローなどの異なる27タイプの足場構造を生成。様々なパラメータを試した結果、指定された骨格に沿った細胞増殖に最適なプリント設定値を見つけ出し、PLA素材で造られた3Dプリント製の足場が、癌細胞培養の宿主として適していることを証明した。


BCN3D / The International Journal of Molecular Sciences

デスクトップタイプのFFF方式3Dプリンタを利用し生成された癌細胞を単離するために最適な足場は、従来の2次元細胞培養で行われていたよりも、より深い幹細胞研究が可能となる。さらに、このような安価な3Dプリント技術が活用されることで、研究に必要なカスタム細胞足場を、低コストで短時間に生産することも可能になった。
チームはこの方法を提案することで、乳がん細胞の研究が容易になり、患者の再発リスクを軽減する新しい薬学的治療法を開発することができると述べている。


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