胃に留まり監視や投薬をする3Dプリント製ピル

患者の胃に留まり健康状態を監視したり治療したりするための3Dプリント製電子デバイス「GREs」

MIT、Brigham and Women’s Hospital、Draperの研究者等によって組織された研究チームは、胃の内部からデータを収集するための3Dプリント製のミニチュア電子デバイスを開発した。

「Gastric Resident Electronics(以下 GREs)」と呼ばれる3Dプリント製のミニチュアデバイスは、1ヶ月以上に渡り胃に留まり、感染症の検出および治療から救命用抗ヒスタミン剤の投与まで対応するよう設計されたツールで、Bluetooth接続されたスマートフォンのコマンドに応答して診断情報を中継したり、薬物を放出することができ、すべての情報をスマートフォンへ伝達する。

MITを中心とした研究チームによって製造されたGREsデバイスは、Hyrel 3Dの3Dプリンタ「System 30M」を使用し、本体をPLAフィラメント、Y字型のアンテナをNinjaFlexフィラメントで製造。小さなボディは、カスタムメイドのAerotech AGS 15000システムを使用してエポキシ・コーティングと導電性トレースをデバイスに追加し、Bluetooth部品とバッテリーを統合している。

完成したデバイスをカプセルに収め飲み込み胃に到達すると、胃酸がカプセルを溶解し、アンテナを展開。胃に到達し動作を開始したデバイスは、時間経過と共に徐々に消化される。
これまでのテストでは、デバイスは36日間正常に機能し、合計15日間安定した無線通信を行い、体温等を読み取りアプリへ情報を提供した。

この初期段階のテストでGREsは、感知に加え、一定期間に渡り徐々に薬剤を放出する能力を示した。これは、避妊薬のように、長期間薬剤を投与する必要がある患者に対し有用な機能となる。

現在、豚を利用して実施されている実験は、2年後には人間による試験を開始する予定である。しかし現在の3Dプリントデバイスは、あまりに硬くて大きく、簡単に飲み込むことができないため、今後より小型化へ向けた改良が必要となる。

研究チームは、この小さな3Dプリントデバイスが、次世代の遠隔診断と自動治療戦略の実現の一歩であると考えている。


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