3Dプリント技術で造られた衣装がアカデミー賞を受賞

マーベル映画「ブラックパンサー」が第91回アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞

2018年に世界各地で記録的なヒットとなったマーベル・スタジオ作品『ブラックパンサー(原題: Black Panther)』が、第91回アカデミー賞において、衣装デザイン賞の他、美術賞と作曲賞を受賞。劇中で使用された3Dプリント製衣装に注目が集まっている。

同作で衣装デザインを担当し、オスカーを手にした衣装デザイナー Ruth E. Carter(ルース・E・カーター)は、劇中に登場するティ・チャラ(ブラックパンサー)の母、ワカンダの女王であるラモンダが着用した複雑なデザインのマントルと冠をデザイン。

カーターはこの衣装を完成させるため、3Dプリント技術を用いた建築やファッションをデザインするオーストリア人3Dデザイナー Julia Koerner(ジュリア・コーナー)に協力を仰ぎ、約4ヶ月掛けて、ラモンダの衣装の3Dモデルを作成。
衣装の3Dモデル制作を担当したコーナーは、超未来型テクノロジーを有するワカンダらしい衣装に仕上げるため、ビジュアルプログラミングソフトウェアを使用してデザインした独自のジオメトリを開発。アフリカの伝統的なファッションを継承しつつ、手作り感を出さない見事なデジタルデザイン衣装を完成させた。

@ facebook koernerjulia

完成した3Dモデルは、ベルギーに本社を置く3Dプリントサービス企業 Materialise(マテリアライズ)に送られ、SLS方式の3Dプリンタと「PA(ポリアミド)12」材料を使用してプリントされた。耐久性と靭性を兼ね備えたPA12から生成された衣装は、ラモンダを演じた女優アンジェラ・バセットの体に完璧にフィットした。

またコーナーは、アカデミー賞のアフターパーティーであるVanity Fair誌のパーティーにてカーターが身に着けた、3Dプリント製装身具の製作も手掛けている。


@ facebook koernerjulia

日本ではあまりヒットしなかった「ブラックパンサー」だが、全米歴代3位、世界歴代9位という興収を記録。アメコミ原作映画としては初のアカデミー受賞作品となった。


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