ペプシコーラが3Dプリンタ用フィラメントを生産

飲料大手のペプシが3Dプリンタ事業に参入

飲料大手のペプシコが製造するソフトドリンクブランド「ペプシコーラ(Pepsi-Cola)」は、すべてのボトリング工場の電源をグリーンエネルギーに変更するなど、大規模なグリーン・イニシアティブ・プロジェクトの一環として、ペットボトルからリサイクルされた3Dプリンタ用フィラメントの新ブランド「ペプシメント」を自社生産することを発表した。

同社の殆どの飲料商品は、アルミ缶とペットボトルの2形態で提供されているが、アルミニウムはリサイクルもし易い金属であり価格も手頃なため、リサイクルプログラムが広く普及している。一方で、ペットボトルはリサイクルに伴う課題も多く、リサイクル3Dプリンタ用フィラメントの普及率は低いのが現状である。
再生プラスチックを3Dプリンタ用フィラメントに変換するための最大の課題は、一般的なプラスチックゴミには融点が異なる様々なさまざまなプラスチックが含まれていることであり、融点だけでなく工学的な特性も違う点から、全てを溶かして再利用することが難しい。
このため、一部の3Dプリンタ用フィラメントのリサイクルプログラムでは、特定の材料のみをリサイクル対象として受け入れることで、この問題に対応している。

既存のペットボトルリサイクルフィラメント「ReForm rPET

「ペプシメント」のコンセプトは、飲み終わったペプシのペットボトルを自由に返却できるリサイクルプログラムを全世界で展開し、これを回収して、洗浄、粉砕、破砕、そして最終的に溶融・押出しして、利用価値の高い3Dプリンタ用フィラメントとして販売する予定である。

ペプシのペットボトル1本には約28gのPETが含まれているため、わずか36本のペットボトルから1kgの「ペプシメント」を採取することができる。米国内で生産されるペプシのペットボトル数は1日60万本以上といわれているため、最大で1日17,000個程度のPETフィラメントを生産できる能力を有している。

ペプシメントの仕様や価格等は明らかにされていないが、今後の動向が注目されている。


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