回転式押出機付き金属3Dプリンタ「FL300M」

FFF方式のメタル3Dプリント技術を向上させる回転式押出機搭載「FL300M」

2018年に設立されたベルギーの3Dプリンタメーカー FuseLab(以下 フューズラボ) は、特許を取得した回転式押出機を搭載した同社初のFFF方式メタル3Dプリンタ「FL300M」を発表した。


Photo : FuseLab

FL300Mは、金属粉末混合の金属フィラメントのプリント性能を強化するために設計された特許取得済みのロータリーエクストルーダー(回転式押出機)と高性能で高精度のモーションシステムを搭載。300×300×280mmの造形容積を持ち、複数の素材をプリントすることができ、金属粉末混合フィラメントに最適化されている。

一般的なFFF方式エクストルーダーは、1つまたは2つのドライブギアでフィラメントをプリンタの溶融ゾーンに供給するが、ドライブシステムとフィラメントの間の接触点は1つまたは2つしかない。このため、速度や押し出し力が大きくなるとフィラメントが滑り、押し出し不足になることがある。この問題を解決するためフューズラボは、3つのドライブローラーがそれぞれ12個の接点を持ち、合計36個の接点が押出機の駆動機構とフィラメントの間に存在する新しい押出機を設計。

フューズラボによると、金属粉末を混合したフィラメントは金属粉末の含有量が多くバインダーの含有量が少ないため、ギアなどの部品が壊れやすい傾向にあり、係合点の数を増やすことはプリント時に有利に働くという。回転式押出機を搭載したFL300Mは、押出機全体に複数の接触点を配置することで、フィラメントの破損リスクを最小限に抑え、押出機の滑り止め機能により、押し出し不足が減少して、高い堅牢性を持つ金属部品を造形することが可能となる。

FL300Mは、この特許取得済みの押出機技術により、FFFメタルプリントの品質と信頼性を高めることを目指し、2021年11月16日からドイツのメッセフランクフルトで開催される「Formnext 2021」で初公開され、2022年初頭に発売開始を予定している。


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