欧州発、高齢者や要介護者のための3Dプリントフォードプロジェクト「PERFORMANCE」
本サイトではこれまで、様々なタイプのフード3Dプリンタまたはそれに関連するプロジェクトなどご紹介してきたが、今回紹介する3Dプリントフードプロジェクト「PERFORMANCE」は、特別養護老人ホームなどの生活支援施設や、家庭での介護が必要な高齢者のため、食を通した総合的な健康管理を実施するEU主導の3Dプリントフードプロジェクトである。
このプロジェクトは、加齢と共に変化する食習慣や健康状態を常時モニタリングし、個々の状態に適した食事を、見た目や食感をバランスよく調整した3Dプリントフードを提供するための取組みであり、利用者の健康状態はモバイル端末などからデータベース上に記録され、個々のニーズや日々の健康状態に応じた最適な食事を食品工場で3Dプリント~パッケージし、デリバリーするという一連のプレセスから構成されている。
これは、従来型の単なるデリバリーサービスではなく、利用者の日々の健康状態などもモニタリングし、最適な食事が提供できる総合的な介護システムの一つとして研究が進められている。
食べやすく消化の良い食事を成形できるフード3Dプリンタは、固形物を上手に食することが出来ない高齢者などに対し、流動食のような味気ない食事を与えるのではなく、見た目や食感も重視した食事を提供することが可能となる。食べ物としての見栄えは食欲にも影響するため、利用者の健康状態を保つ上でもとても大切なこととされている。
このプロジェクトのメリット
- 個々の健康状態(咀嚼可能な固形物の状態など含め)、個人のニーズに応じた食材や大きさなど、栄養バランスも考えた食事を提供することが可能
- 味付けや見た目も個人の要望に合わせ対応が可能
- 専門の食品工場にて3Dプリント~デリバリーされるため、家庭や専門施設など、どんな場所での食事にも対応が可能
同プロジェクトは現在、デンマーク、オーストリア、イタリア、ドイツ、オランダでの展開を予定している。
「3Dプリンタで作る食事なんて!」と批判的な意見もあるようだが、高齢化問題が深刻化する日本を含む先進国では、増加する要介護高齢者と介護する側の負担を減らすためにも、こういったシステムの運用を積極的に検討する必要がある。
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