- 2020-2-28
- フィラメント・材料, 最新情報
- 3DFS, 3DPrinting, 3Dプリンティング, BASF, Desktop Metal, FDM, FFF, filament, MarkForged, Ultimaker, Ultrafuse 316L, テクノロジー, フィラメント, 仕上げ加工, 教育, 表面仕上げ, 試作
安価なデスクトップ3Dプリンタと金属フィラメントを使用したステンレス鋼部品の溶接に成功
ケンタッキー州の公立コミュニティカレッジ Somerset Community College(サマセット・コミュニティ・カレッジ 以下 SCC)は、安価なデスクトップ3Dプリンタと「ステンレス316Lフィラメント」を使用して多数のステンレス鋼金属部品を3Dプリントし、これらの部品を溶接することに成功した。
金属フィラメントに対応するため改良された低価格3Dプリンタ Photo:SCC
SCCのAM(Additive Manufacturing)部門の研究チームは、450ドル(約49,000円)程度の安価なデスクトップ3Dプリンタをベースに、金属フィラメントが使用できるよう低予算内で本体の一部をカスタマイズ。総額600ドル(約66,000円)で3Dプリンタを完成させた。
その後SCCは、金属フィラメントをラインアップする材料メーカー The Virtual Foundry および BASF から金属フィラメントの提供を受け、カスタマイズされたデスクトップ3Dプリンタと金属フィラメントを使用し、3Dプリントおよび溶接プロセスの実験を開始。
ステンレス鋼部品製作用『Ultrafuse 316L Metal』
焼結後の収縮率などを計算し設計された部品は、カスタマイズされた安価な3Dプリンタでプリントされ、冶金およびデバインド(脱脂)・焼結サービスを専門とする DSH Technologies に委託され、デバインダおよび焼結を実施。
TIG溶接試験部品
焼結を経て完成した3Dプリント製ステンレス鋼部品は、SCCの溶接部門に移され、ガスタングステンアーク溶接(GTAW)プロセスを使用して6つの3Dプリント部品を溶接。
溶接された3Dプリント製ステンレス鋼部品の硬度値は、標準のステンレス316Lより若干低くなったが、仕上げ作業後の顕微鏡検査では十分な結果を示した。また、溶接中の熱放散は標準のステンレス316Lよりも高いことが発見された。
3Dプリンタで製造された様々なステンレス鋼部品
SCCは一連の検証により、安価な3Dプリントシステムで作製された金属部品が、将来的な産業用途で十分に使用できることを証明した。また現在SCCは、この低予算金属3Dプリンタの組立て方法とプリントプロセスに関するトレーニングワークショップを、ケンタッキー州の一部企業や学術機関に提供することを予定している。
金属フィラメントの購入に関するお問い合わせはこちら
関連記事
- ステンレス鋼部品製作用「Ultrafuse 316L」販売開始
- 金属フィラメント対応の低価格3Dプリンタ「Adventurer3X」
- ステンレス部品生成可能な金属フィラメント「Ultrafuse 316L」
- Markforgedが純銅材料をリリース
- Markforged、Metal X 3Dプリンタにインコネル材料を追加
- TCTで金属フィラメント対応3Dプリンタ「Adventurer3X」展示
- 10万円を切る価格でプロ仕様の精度を実現した3Dプリンタ「DreamerNX」
- 工業用FFF方式3Dプリンタ「Guider2s」販売開始
- FLASHFORGE「ExplorerMAX」販売中止のお知らせ
- FLASHFORGE製品値下げ及び「ExplorerMAX」遅延のお知らせ
- 低価格で高性能な光造形機「ExplorerMAX」
- Formlabsの最新3Dプリンタ「Form 3」日本市場で展開開始
- 驚異的な造形精度を実現した「Infinity X1 SPEED」
- 準産業用途向けFDM方式3Dプリンタ「Creator3」
- 次世代小型3Dプリンタ「Adventurer 3」
- 世界最軽量フィラメント『Pegasus PP Ultralight』販売開始
- レーザー彫刻可能なフィラメント「Laser Marking PLA」発売開始
3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp