タイ産まれの最新建築3Dプリント技術

タイ大手のセメント会社SCGは自社技術による最新の建築3Dプリントプロジェクトを発表

タイ王国最大手のセメント製造企業Siam Cement(サイアム・セメント 以下 SCG)は、最新の3Dプリント建築プロジェクト「Triple S(トリプル S)」を発表した。

2014年、セメント粉末、リサイクル材料、天然繊維を組み合わせた3Dプリント用セメント素材をリリースしたSCGは、タイの建築家Pitupong Chaowakul氏によって設計された東南アジア初の3Dプリント構造物「Y-Box Pavilion 21st-century Cave」を建設するなど、同分野への研究を積極的に進めている。


Y-Box Pavilion 21st-century Cave

更に最近では、タイのデザイナーAnon Pairotと協力し、コンクリート素材で3Dプリントされたガーデン家具セット「Fluctuation of Precision」を発表。

同コレクションは、イタリアの3DプリントベンチャーWASP社の大型デルタ方式3Dプリンタを使用しプリントされた、コンクリート製ソファー、テーブル、オブジェから構成されている。

そんなSCGが発表した最新作「Triple S(トリプル S)」は、Surface(サーフェス)、Structure(ストラクチャー)、Shelter(シェルター)の3つの「S」をコンセプトに設計された建築3Dプリントプロジェクトで、そのコンセプトモデルとして、3m×3.5m×3mの小屋型構造物をプリントした。
この建物は、耐荷重性能を有する内側トラスと、3Dプリントによる外装表面層の審美性を併せ持つ新しい構造性能を有する構造物となっている。

SCGの3Dプリント用セメント材料は軽量で、従来のプレキャスト工法よりも部材を軽量化することができる。同社はこの材料を使用することで建築時の消費材料を抑えつつ、必要な構造機能を有する独自の表面変換技術を利用し、大規模な建築に対応する高効率な3Dプリントプロセスの研究開発を進めている。


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