- 2017-9-22
- 3Dプリンタ・各種加工機, 最新情報
- 3DPrinter, 3DPrinting, 3Dプリンター, 3Dプリンティング, da Vinci, FDM, FFF, filament, PLA, XYZPrinting, テクノロジー, フィラメント, フルカラー
XYZプリンティングは1600万色対応のFFF方式フルカラー3Dプリンタ「ダヴィンチ・Color」の予約発売を開始した
XYZプリンティングジャパンは、FFF方式(熱溶解積層方式)と 3Dカラージェット技術を搭載したフルカラー3Dプリンター「ダヴィンチ・Color」を2017年9月21日に正式発表。
2017年9月21日から10月24日までの期間、早期割引として550,000円(税別)で予約注文を受付けている。
【ダヴィンチ・Colorの主な特徴】
- フルカラープリント
本体に装備されたCMYKインクで着色することにより、1,600万色のフルカラーを実現 - 自動校正システム
プラットフォームの下にある水平校正モーターモジュールがプラットフォーム各ポイントの高さを自動調整し、エクストルーダーとプラットフォームの距離を水平かつ適正に保つことが可能。プリント前にタッチパネルでアイコンをタッチするだけで、キャブレーション機能を実行。 - 取り外し可能なマグネット式プラットフォーム
マグネット式の取り外しが可能なシートを付属。造形安定性を向上させ、取り外しも容易になる。 - 5 インチカラータッチパネル
ユーザーフレンドリーなUIにより操作性が向上。日本語を含め8カ国の言語に対応。 - フィラメントオートフィーダー
自動ロードシステムで、フィラメントを正確に供給。 - 新素材となる専用PLA
ダヴィンチ・Color専用のPLAは、インクを素早く付着することができ、従来のPLAよりも耐久性が向上。
基本的な性能・スペックについては前回投稿の記事で伝えた通りとなるが、今回の発表会で得た情報を幾つかピックアップし、お伝えしたい。
造形物への着色方法について
ダヴィンチ・Colorは、専用のPLAフィラメント材料の吐出と、インクジェットによる塗布を1層毎に繰り返すことで、フルカラー3Dプリントを実現する。この際、カラーインクが塗布されるのは表面に当たる部分のみになるため、完成後の造形物も表面だけが着色されたような仕上がりとなる。
着色のためのインクジェットヘッドと、3Dプリントのためのヘッドは同一に可動するため、着色の有無による造形時間差は殆ど発生しない。
また、専用材料以外の通常のPLA素材にも着色は可能だが、十分に塗料が浸透しないため、専用PLAによる使用を前提にインク類は開発されている。
その他、このデモ素材のように裏面(内側)にカラープリントが適用される場合、先に無着色のPLAが積層され、その上にカラーインクが塗布されるような仕組みとなるため、半透明な素材からカラー部分が透けて見えているような状態となる。
フルカラー3Dプリント用データについて
他のカラー3Dプリンター同様、ダヴィンチ・Colorにて正しくフルカラー3Dプリントするには、元となる「OBJ(.obj)形式」の3Dデータに、適切なUV情報とマテリアル(テクスチャ)情報が設定されている必要がある。
一般的な3Dプリント用データとして使用されるSTL(.stl)形式はマテリアル情報を持つことができないため、フルカラー3Dプリントは出来ない。
専用ソフトウェア「XYZ maker」から簡単なペインティングは可能だが、オリジナルデータに対し正確な着色を行うには、UVやマテリアル(テクスチャ)情報を設定できる3次元ソフトウェアの利用が必須となる。
改良された材料供給システム
ダヴィンチ・Colorでは、本体側面に設置されたフィラメントホルダー上部に自動ロードシステムを搭載したフィーダーを設置。フィーダーから伸びたガイドチューブが本体真上からヘッドに接続されるようになり、既存のダヴィンチ Proで課題となっていた材料の取り回しについても大きく改良されているのが確認できる。
色落ちや、耐水性について
フルカラー3Dプリントされた造形物は、水などをかけても色落ちすることはないようだが、紫外線による色落ちは発生する。これは他のカラー3Dプリントでも同様で、紫外線による色の劣化を防ぐには、UV対応のコート剤などを使用した方が良いかもしれない(要確認)。
発売時期と本体価格について
前述の通り、ダヴィンチ・Colorの本体価格は698,000円(送料、設置費用込)で、2017年10月25日より大手量販店やAmazonなどのECサイトから販売開始される。
※ 10月24日までの事前予約分のみ、550,000円(送料、搬入費用込)で予約注文を受付中。
消耗品の価格について
ダヴィンチ・Colorでフルカラー3Dプリントを実行するためには、専用の着色用PLAと独立タイプの4色のインクカートリッジ(CMYKカラーカートリッジ 各色40cc)が必要となる。
- 専用フィラメントスプール 600g(PLA、Tough PLA、PETG):4,280円(税別)
- 専用インクカートリッジ:9,800円(税別)
造形物の表面積にもよるが、40ccのインクカートリッジでどの程度まで塗布可能か、コストパフォーマンスを重視するユーザーにとってはかなり気になる部分かもしれない。
XYZ Printingは、ダヴィンチ・Colorの開発に伴い、300を超えるパテントの所有及び申請を行っており、今後も開発・申請を継続するとしている。
関連記事
- 低価格フルカラー3Dプリンタ「da Vinci Color」登場
- ダヴィンチ Jr. 2.0 Mix 正式発売開始
- XYZ プリンティング$230のミニ3Dプリンターを発表
- ファブ3Dコンテスト2017開催のお知らせ
- 金属系フィラメントで製作したチェスセット
- 体の動きにフィットする3Dプリントドレス
- 高靭性の透明フレキシブルフィラメント『Crystal Flex』
- 日本品質の普及価格3Dプリンタ「BS CUBE」
- フィラメントを湿気から守る「PolyBox」
- 元Apple社員が開発した$99の3Dプリンタ
- 造形エリアを拡大した新型3Dプリンタ「Guider 2」
- VWは低価格な3Dプリンタで業務を効率化
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp