100%自然エネルギー利用の3Dプリント住宅が予約受付中

PassivDom、完全自律型の3Dプリントハウスの予約注文受付け開始

ウクライナの建築系ベンチャー PassivDom は、100%自然エネルギー利用の完全自律型3Dプリントハウスの予約注文受付けを開始した。

ウクライナのスタートアップPassivDomがリリースしたこの住宅は、工場内に設置された7軸の3Dプリントロボットが、カーボン繊維、ポリウレタン、樹脂、ガラス繊維などの材料から厚さ20cmの壁や床、屋根など3Dプリントされた各モジュールを使用して組立てられるユニット工法型のモバイル式住宅で、組立てられた住宅を現場に運び、窓、ドア、配管、電気システムなどを追加して、約24時間で居住可能な自律型住宅と完成する。

完成予想図(CGレンダリング)

完全自律型住宅

この3Dプリントハウス最大の特徴は、生活に必要な全てのエネルギーを自然環境から賄う完全自律型である点だ。
電気は屋根に設置したソーラーパネルから発電し、余った電気をPassivDomバッテリーと名付けた蓄電池に蓄える。また、独自に開発された自律型給水システムは、雨水などあらゆる水から新鮮な水を収集する「ろ過システム」や、太陽エネルギーによる凝縮空気からの水生成システムなどを備えている。

躯体にはカーボン繊維をベースとした高強度なフレームと、独自の断熱システムや断熱強化ガラスなどが採用されており、夏涼しく冬温かい快適な生活環境を実現。この高強度な躯体の特徴を活かし、スマートホンと統合された顔認識機能によるビデオ監視システムなど、優れた防犯性能も有している。

設置されるすべての家電機器は、スマートホンからも遠隔操作することが可能なIoTネットワークに接続されており、屋内外に設置されたセンサーと自己学習システムにより、室内の二酸化炭素の含有量、温湿度、酸素などを自動調整。

PassivDomで使用される主な技術

  • バッテリーを備えた自律型太陽電池システム
  • 自律給水システム
  • 自律下水道システム
  • 熱回収換気
  • ヒートポンプ
  • 電気ボイラー
  • 電気式床暖房
  • プレミアムグレードの家電製品
  • インターネット環境
  • スマホ用ハウス管理システム
  • オンラインビデオ監視システム
  • セキュリティ監視システム
  • 温度、湿度など各種センサー
  • モーター制御ブラインド、日除け、施錠

 

完全自律型で実現する選択自由な生活環境

完全自律型で、基礎構造を持たないPassivDomの3Dプリントハウスは、トレーラーなどに乗せて移動することが可能なモバイル式で、川辺や海岸、森林など、都市の喧騒から離れた静かな環境に家を設置し、自由なライフスタイルを楽しむことができる。

予約受付を開始した住宅価格は、家具やシステムを搭載した36㎡モデルが€59,900(約705万円)、太陽光などの自律ステムを含まない36㎡モデルが€29,900(約350万円)で、現在はウクライナと米国のみ予約注文を受け付けている。受付を開始したウクライナでは、既に1,000人以上がキャンセル待ち状態となっている。


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