- 2021-2-2
- 最新情報
- 3DCAD, 3DFS, 3DPrinting, 3DPS, 3Dプリンティング, filament, Medical, SLA, テクノロジー, フィラメント, 光造形, 医療, 義手, 義肢, 義足
韓国の研究者が3Dプリント技術を活用して手頃な価格でカスタマイズ可能な人工睾丸を作製
韓国の研究チームは、人工精巣移植を必要としている患者のため、3Dプリント技術を利用してより手頃な価格でカスタマイズが可能な人工睾丸を作製した。
乳癌に侵された女性がん患者を支援するため、3Dプリント技術を活用した症例は多数報告されているが、3Dプリント技術を利用して人工睾丸を造るという試みは殆ど例がない。
しかし男性器には、腫瘍や外的要因など様々な理由から医学的処置が必要になることがあり、時には睾丸の摘出が必要となることもある。乳房切除後に精神的な苦痛を抱える患者がいるのと同様に、睾丸の摘出によるストレスや、既製の人口睾丸のフィット感の悪さや合併症を引き起こす可能性から大きなストレスを受けて自信を失い、精神的な病を抱えることになる患者も少なくない。
このような課題に対応するため韓国の研究チームは、3Dプリント技術を活用して、患者個人の体にフィットしたカスタマイズされた人工睾丸を作製するためのプロセスを開発した。
研究チームは、シリコーン LSC-40(美術工芸品などに使用されるポリマー)と、RTV-THINNERを混合して人工睾丸に最適な材料を調合。その後、患者の睾丸データを3Dモデリングソフトウェア「PTC Creo Parametric」で調整し、複数の大きさの睾丸モデルを作製。
3次元化された睾丸モデルは、3Dプリンタを使用して3つのパーツに分割して造形され、後処理加工した後にシリコン成形プロセスにかけ、患者の体にフィットした人工睾丸を作製する。
韓国では、米国から輸入された高価な人工睾丸を使用されることが多いが、保険適用外のため使用を断念する患者も少なくない。このプロセスを開発した韓国の研究チームは将来的にこの人工睾丸を医療機器として登録し、高価な米国からの輸入品に代わる、より手頃な価格で入手できる補綴物として商品化することを考えている。
関連記事
- 患者に合わせカスタマイズ可能な3Dプリント製装具「ARMOR」
- ShapewaysとEOSは提携し装具および補綴物市場に進出
- Allevi、皮膚細胞用3Dバイオプリントキットを販売
- 抗菌作用フィラメント『MD Flex』販売開始
- 抗菌作用フィラメント「PLACTIVE AN1」
- 3Dプリント技術を使用して授乳中にHIVウイルスを不活性化
- 免疫不全に苦しむ病気の子供向け3Dプリント玩具
- 3Dプリント包帯で損傷した皮膚を治療
- 3Dプリント技術で視力を回復
- 世界初の宇宙空間用3Dバイオプリンタ
- 世界初の3Dプリント角膜開発に成功
- 患者の骨に癒合同化する3Dプリント人工骨
- Luxexcelが1年で5000枚以上の3Dプリントレンズを生産
- 肌表面に積層型極薄膜を形成する「Fine Fiber」
- 5秒で完成!3Dプリンタと真空成型機でPPEマスクを効率的に生産
- ステンレス鋼部品製作用「Ultrafuse 316L」販売開始
- 世界最軽量フィラメント『Pegasus PP Ultralight』販売開始
- ナノダイヤモンド配合フィラメント「uDiamond PLA」販売開始
3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp