Kickstarterで大成功した3Dプリンタ「Tiko」開発中止を発表

3百万ドルの資金を集め話題となった3Dプリンタ「Tiko」が突然開発中止を発表

2015年、Kickstarterキャンペーンで16,538人の支援者から3百万ドル弱($2,950,874/3億円超)の支援を受け大成功した、低価格小型デルタ方式3Dプリンタ「Tiko 3D」は、開発能力不足と資金繰り悪化などを理由に、開発業務の停止を突然発表。
Tiko 3Dプリンタを未だ受け取っていない支援者への返金は不可能としている。

$179という低価格と意匠性の高さから世界中で話題となり、Kickstarterでも記録的な成功を納めたTikoは、3/4以上の製品未出荷状態のまま開発を中止することを発表し、多くの支援者から批判を集めている。

同社は開発を中断した理由として「自分達にはプロトタイプから大量生産に移行するために十分なスキルもノウハフも欠けていた」とコメントしており、開発当初から様々な課題に対応することができていなかったことを認めている。

1年半に及ぶハードウェア&ソフトウェア開発の中で、度重なる挫折や遅延を繰り返し開発期間が延長されたことで資金繰りが悪化。また、様々な認証要件への対応問題や、予想外の営業経費の増加、物流問題、サプライヤーやコミュニティへのクレーム処理問題などを抱えながらそれらに対して十分な対応ができないことを理由に、プロジェクトを継続することが困難であるとして、開発中止を決定した。

Tiko 3Dプリンタは支援者向けに約16,000セットを製造し、4,100台程度を北米(アーリーバード向け)を出荷したが、まともに動作しない不良品であるとして、製品を受け取った多くの支援者達から批判を受けていた。

支援者による開封からデモプリントまでの映像

また、現在までに製品を受け取れていない他の支援者に対しての返金の目処は立っておらず、新たな投資先が見つからなければ、プロジェクト自体が完全に破綻することになり、製品を受け取ることも、出資金を回収することもできなくなる。

新たな投資先を探す同社に対し、一部の支援者は理解と継続した支持をおこなうとしているが、多くの支援者からは当然理解を得ることができていない。

2013年にKickstarterでローンチし、世界初となる$100の低価格光造形機として4,000人超の支援者から65万ドルを超える資金を集めた3Dプリンタ「Peachy Printer」は、集めた資金の半分をRylan Grayston CEO個人の自宅建設に充てていたことが判明し、集団訴訟を起こされいま現在も係争中である。
また直近では、2017年1月にKickstarterから「実行性が無い」と判断され、プロジェクト終了直前に資金提供停止処分を受けたNext Dynamics社の3Dプリンタ『NexD1』(関連記事はこちら)など、KickstarterやIndiegogoのような大手クラウドファンディング上でも詐欺まがいな関連プロジェクトが立て続けに発生しており、後に続く優良なプロジェクトに対して悪い影響を与えている可能性が否めない。
クラウドファンディングはあくまで開発支援のためのシステムであり、予約販売サイトではないが、今後ローンチする関連キャンペーンに対する精査の仕組みも見直す必要があるかもしれない。


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