色鮮やかな3Dプリント用インク

中国の研究者等が開発した色鮮やかな生体適合3Dプリント用インク

中国上海の復旦大学、南京の東南大学、温州の中国科学院大学の研究者等から構成された研究チームは、体温で色が変わる玩具や、食品の装飾などに安心して使える着色料を含まない色鮮やかな3Dプリント用生体適合性インクを開発した。

この生体適合性インクの主成分はヒドロキシプロピルセルロース(HPC)とゼラチンで、これらは食用でコストパフォーマンスが高く、生体適合性にも優れており、色褪せる可能性のある染料や顔料を使用した従来の3Dプリント用カラーインクと異なり、より安定的で簡単に色落ちせず、熱や光の刺激に反応し「構造的発色」によって外観を変化させることができるパーツを得ることができる。

研究チームはこの技術を使いアルミ箔や実験台などの平らな表面に、様々な形や色の物体を3Dプリントすることに成功。ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)分子を構成要素として用いると、溶液がコレステリックセルロース液晶(CLC)を形成し、鮮やかなメタリックカラーを生み出すという。自然界においては、蝶や昆虫、カメレオン、一部の植物など、色素がなくても鮮やかでメタリックな色が形成される構造に類似している。

研究チームは、この鮮やかなカラーインクを曲面にも使えるようにすることで、色の変化で運動をモニターするウェアラブルバイオセンサーや、運動を追跡するバイオニックセンサーなど、より複雑な構造物の3Dプリントを可能にしたいと考えている。


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