建築家が開発した3Dプリント製医療器具

英国の建築家が気管移植手術を受けた患者のために3Dプリントステントを開発

ロンドンに本拠を置く建築スタジオTonkin Liuの建築家Mike TonkinとAnna Liuは、シェルレース構造と呼ばれる、気管移植手術を受けた患者の喉に適応できる3Dプリントステントのプロトタイプを開発した。

TonkinとLiuは、建築およびエンジニアリングアプリケーションのため研究した単一表面構造技術であるシェルレース構造をベースに、デジタル設計ソフトウェアおよび3Dプリント技術を使用し、3Dプリントステントのプロトタイプを開発。建築用シェルレース構造を人間の体内に移植可能なサイズに縮尺(約500倍)するため、人間の喉に似ている豚の気管をスキャンし、実際の気管の5倍の大きさの試作モデルをプリントし研究。人間に適用可能なシェルレース構造の3Dプリントステントのプロトタイプを開発した。

穿孔表面を有する医療グレードのシリコーンから作られているシェルレース構造の3Dプリントステントは、一般的に使用される管状メッシュステントと異なるC字型となっており、組織への薬物投与が容易で、感染を防止するのに役立つよう患者の喉の形状に適合する。

医師がステントを気管に挿入し位置決めすると、3Dプリントステントは自然な外圧により展開し、患者の体内に留まる。

このシェルレース構造の3Dプリントステントは現在特許出願中で、TonkinとLiuは、研究パートナーと協力し製品化を目指すと共に、同技術を人体の他部位へ応用するための研究を続けている。尚、同プロジェクトは、2016年に英国政府が設立したイノベーション基金Innovate UKから支援を受けている。

image:dezeen


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