3DプリントとAIで超リアルな名画の複製を生成

MITの研究チームが3DプリンタとAIを用いて名画の複製物をデザインするシステムを開発

マサチューセッツ工科大学にある学際的研究所、MITコンピュータ科学・人工知能研究所(MIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory、CSAIL)の研究チームは、ディープ・ラーニングと3Dプリンティング技術を利用し、絵画をリアルに再現するためのシステム「RePaint」を開発した。

RePaintシステムは、カラーコンソーニングとハーフトーンと呼ばれる2つのアプローチと10種類のインクを3Dプリントし、特定の色合いを再現する方法を決定するディープ・ラーニングモデルを組み合わせ、名画を再現する。

一般的に絵画の色再現には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色インクを用いた2Dプリンタが使用されるが、表面の質感が重要な油絵などをリアルに再現するには限界がある。そこでMITの研究者等は、ニューラルネットワークを訓練し、18,878サンプルのインクスタックデータを使用して色を正確に予測する方法を発見した。この技術では、市販のカラー顔料と混合された異なる色のUV硬化性フォトポリマーを3Dプリントし、積み重ねられた10種類の極薄インクレイヤーを使用することを含む「color-contoning(カラーコントーニング)」というドットパターンによる印刷テクニックを用いている。これは、ウェハースとチョコレート層を重ねるチョコレート菓子「キットカット」に似ている構造に、網点(ハーフトーン)技術と組み合わせることで、色の付いた微細なドットを用いて繊細な色と質感を再現している。

現時点ではRePaintの技術には時間が掛かり過ぎてしまい、名刺サイズ程度までしか再現できないが、今後より大きな絵画を再現するため、面倒な物理的アプローチを使用する代わりに、ディープ・ラーニングモデルを訓練し、異なるインクの最適なスタックを予測させることにしている。一度システムがそれらを学習することで、システムは絵画の特定の領域で、どの色を使うべきかを判断することができるようになる。

今後学習を重ねより最適な色の再現が可能になれば、絵画の特定の領域で、どの色を使うべきかを的確に判断できるようになり、テクスチャや反射などを考慮してより詳細なディテールを再現できるようになり、大きな絵画をより効率的に作成する事ができるようになるという。

近年、美術作品の価値は急速に高まっており、RePaintのシステムが商業ベースの物となれば、個人や美術館でコレクションされる名画の修復や保護に活用できると期待されている。また、ほぼ完ぺきなオリジナル作品に近い複製物を作成することもできるようになり、名画の楽しみ方も変わる可能性がある。


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