MITがカスタム家具制作用木工ロボットを開発

木材カットなど危険を伴う作業を最小限に抑えカスタマイズされた家具部品を生成するAIロボットシステム

MITのコンピュータ科学・人工知能研究所(MIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory/CSAIL)の研究チームは、材料加工時などの怪我のリスクを軽減し、設計等の他作業に専念することを目的とした『AutoSaw』という木工用ロボットシステムを開発した。

大工作業の現場では、丸ノコやジグソーなどの電動工具を利用するのが一般的だが、怪我を負う危険性が否めない道具である。昨今では、大型の木工材加工用CNCを利用した家具造りなども増えてきているが、それらの機器を適切に制御するには、専用のソフトウェアの習得が必要であり、また加工できるサイズもマシンの加工領域や性能によって制限されてしまう。

AutoSawでは、設計に必要な専門的な知識を必要とせず、ソフトウェア内に用意された椅子や机、その他の家具テンプレートを利用して、ユーザーが必要なデザインやサイズの家具を生成することを可能にしている。
また、ソフトウェアには物理的なシミュレーション機能も備えられているため、完成した家具データから強度などを事前にシミュレートすることができる。

そうして完成した家具データは、アッセンブルに必要なパーツ類に分割されてロボットに送られる。加工用部品データを受け取ったロボットは、木材を運び、丸ノコやジグソーなどを自動制御して必要な材料の加工作業を行う。

木材の加工を行うロボットアームの先端には、人間の大工のような柔軟性を与えるため、3Dプリンティングなどによって生成されたソフトグリッパーが追加されており、高精度で電動工具類を操作し木材を加工する。

人間は、ロボットにより加工された材料を利用し、ソフトウェアに示された組立手順に則って、部品を組み立て家具を完成させる。

マシンの加工サイズに制限のあるCNCと異なりサイズに制限の無いAutoSawは、ウッドデッキやポーチのような大規模な木工作業にも使用可能で、将来的には掘削や接着などの複雑な作業も統合させる事を目標にしている。


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