米国の研究チームは3Dバイオプリントされた人口卵巣を使いマウスの出産に成功!
ノースウェスタン大学、ファインバーグ医科大学、マコーミック工科大学の研究者から構成された共同研究チームは、3Dバイオプリント技術を用いて生成した人工卵巣を雌のマウスに移植し、受精から出産までの実験に成功したことを発表した。
科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された発表によれば
外科的処置により卵巣を摘出したマウスに対し、3Dバイオプリント技術を用いて生成した人口卵巣を移植。
ゼラチンストラクチャー内のマウスの卵
卵子の元となる卵胞を入れらた人口卵巣を移植されたマウスはその後排卵し、雄マウスとの自然交配により妊娠に成功。
実験では、3Dプリント卵巣を移植された7匹のマウスの内3匹のマウスに妊娠を確認。そのうち少なくとも2匹の子マウスの出産が確認され、共に健康に成長を続けている。
3Dバイオプリント技術で生成された人口卵巣は、体内で使用するために安全に分解されたコラーゲンから生成された液体ゼラチンインク(生体適合性卵巣ヒドロゲル)を材料に、100μmのノズルを使用して5層構造のストラクチャーとして3Dプリントされている。
3Dプリントされた5層構造のストラクチャー
3Dプリントされたストラクチャーは人口卵巣のベースとなり、マウス体内に移植された。
同研究チームによれば、具体的な実用化の目処は立っていないが、少なくとも5年以内には人体への移植が可能になるとしている。
癌治療を受けている女性の多くが、化学療法などにより不妊になやまされる場合があるが、この研究により、妊娠が困難となった女性達の生殖機能を復活させる手助けになるのではと期待されている。
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