WASPは2種類のセラミック3Dプリンタを発売

WASPは粘土や流動材料に対応した2種類の新型セラミック3Dプリンタをリリース

イタリアの3Dプリンターメーカー「WASP」は、粘土や他の半流動材料に対応した「DeltaWASP 2040 Clay」と「DeltaWASP 40100 Clay」の2種類のデルタ式セラミック3Dプリンタをリリース。いずれもクレイ粘土やセラミック素材を吐出し、陶器などの作品を制作することができる。

WASPは現在、彫刻家アンドレア・サルバトリ(Andrea Salvatori)に協力し、ミケランジェロの彫刻作品複製プロジェクトの一部に同社の大型3Dプリンタやセラミック3Dプリンタを活用している。

DeltaWASP 2040 Clay スペック

造形エリア:Ø200×h400mm
レイヤー解像度:最大 0.5mm
ノズル径:Ø1.2mm
最大プリント速度:150mm/s
価格:€3000~

DeltaWASP 40100 Clay スペック

造形エリア:Ø400×h1000mm
レイヤー解像度:最大 0.5mm
ノズル径:Ø1.2mm
最大プリント速度:150mm/s
価格:要見積

 

3Dプリント技術による美術品複製プロジェクト

サルバトリ氏は、ミケランジェロの有名な作品を忠実に再現するため、WASPの3Dスキャナを利用して彫刻作品の構造を正確に検出。これにより、元の彫刻作品の複雑な構造の詳細をより迅速に取得。さらに、3Dモデリングソフトウェアにより3Dプリンティングに最適化された構造へと改良されている。

プロジェクトチームは、ペレット押出し機を備えたWASPの大型3Dプリンタ「DeltaWASP 3MT Industrial」を利用し、16個に分割されたモールド用部品をプリント。個々の部品は、3Dプリンタで成形された特別なフィクスチャーシステムを利用し結合され、大きな頭部型枠を完成。

完成されたレプリカ作品は、6月15日からモンテルーポ・フィオレンティーノ(Montelupo Fiorentino)で開催された現代ポップアート展「Céramica2018」で展示された。

日本、欧州、中東など、歴史的価値の高い多くの彫像物を有する国では、作品の復刻やレプリカ作成のために様々なプロジェクトが立ち上がっているが、膨大な量の作品を正確に複製するには途方もない時間とコストが必要となっている。特に中東では、ISILによる歴史的建造物や彫刻などの破壊活動が広がり、事態は急を要している。

今回紹介したセラミック3Dプリンタをはじめとした、新たな3Dソリューションが確立されれば、これらの保護活動にも大きな影響を与えると思われる。

※ id.artsでは、国内で販売されていないセラミック3Dプリンタなど、様々な機器導入(代行輸入など)に対応しております。こちらのフォームよりお問い合わせください。


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