中国は重要文化財保護のため3Dプリント技術を活用

中国の雲南洞窟は世界遺産登録の仏像を保護するため3Dプリント技術でフルサイズのレプリカを作成

中国山西省大同市の西、武周山の南の麓に位置する「雲岡石窟(Yungang Grottoes Art Gallery)」は、世界遺産に登録された3体の古代仏像のフルサイズ(10メートル1体、6メートル2体)の3Dプリントレプリカを製作し、施設内で展示を開始した。

1500年の歴史を持つ雲岡石窟には、約1kmに渡る敷地内に250以上の洞窟があり、約51,000もの彫像物が存在する。
ユネスコ世界遺産にも登録されている砂岩崖に刻まれた仏像の一部であるこの彫像物は、1,500年の長きに渡る自然風化や大気汚染により劣化し、現在その保存に関する大きな問題を抱えている。

これらの課題を解決するための手段として、中国・浙江大学、雲岡石窟(Yungang Grottoes Research Institute)、Qingdao Publishing Group(青島出版グループ)の研究チームは、3Dプリント技術による彫像物のレプリカ製作を開始した。

研究チームは最初に、10,000枚以上の彫像写真を撮影。撮影された写真を元に正確な3Dモデルを作成し、現場で採取された砂石をベースとした材料を利用して約6カ月掛けて842個の部品を3Dプリント。3Dプリントされた分割部材を組み立て、リアルスケールの仏像レプリカを組み上げた。

組立てられた3Dプリントレプリカは、下地塗装された後、リアルな彫像に仕上げるため、特別に開発された黄色砂岩テクスチャーを有するスプレー塗料を使用し、専門のアーティスト等によって仕上げ加工された。

こうして完成した3つ(10メートル1体、6メートル2体)の仏像は、現在Yungang Grottoes Art Galleryに展示されている。

3D技術を利用した遺産保護活動
中国によるこの取り組みは、自然風化から遺産を守るための取り組みとなるが、以前の記事「ISILに破壊された歴史的建造物を3Dプリント技術で再現」でも伝えたように、テロ組織による古代遺跡の破壊など、貴重な文化遺産が危険に晒されている地域も存在する。このような狂気的な破壊行為から遺産を守るためにも、3D技術は今後さらに大きな役割を担うようになるでしょう。


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