AR技術でオブジェクトを3Dプリント

ARとロボット技術でオブジェクトプリントするハイブリッド3Dプリントシステム『RoMA』

ニューヨーク州にあるCornell University(コーネル大学)の研究者Huaishu Peng氏の研究チームは、AR(拡張現実)技術を利用したハイブリッド3Dプリントシステム『RoMA(Robotic Modeling Assistant)』を開発した。

「RoMA」と名付けられたこのシステムは、Rhino用プラグイン、VR(AR)ヘッドセット+ハンディタイプコントローラ(インジケータとカッター)、回転プラットフォーム、エクストルーダーを備えた6DOFロボットから構成されており、ユーザーが装着するヘッドセットとハンディタイプコントローラーを通し、AR技術を使用してその場で立体オブジェクトをモデリングすると同時に、ロボットアームによる3Dプリントを可能にした革新的なハイブリッド3Dプリントシステムとなっている。

ヘッドセットとハンディタイプコントローラー(デモではOculus Rift + Touchを使用)を装備したユーザーは、モデリングのベースとなるプラットフォーム上にオブジェクトを仮想的にデザインすることが可能で、ユーザーが3次元モデルを仮想空間上にデザインするとロボットアームが起動し、同一プラットフォーム上に3次元モデルを再現するオブジェクトを3Dプリントすることができる。

RoMAは、独自に設計されたAR用CADエディタが人間とロボットとの相互作用をサポートし、3次元プロセスを実行する。
例えば、人間がプラットフォームに近づき3次元モデリングを実行する際、ロボットはプリントを中断。作業を終えたユーザがプラットフォームから離れると、ロボットは3Dプリントを再開する。
このように、RoMAはユーザーと適切なコミュニケーションを取りながら3次元設計&プリントプロセスを実行することができる。

下のデモ映像では、Huaishu Peng氏が仮想空間上に描いた3次元オブジェクトに対し、ロボットが3Dプリントを実行する様子などが記録されている。

また注目すべき点として、RoMAは既存オブジェクトのサーフェス上に、新しい構造体を追加3Dプリントすることができる。

研究段階である現時点では簡易的な構造体しか3Dプリントできないが、まるで3Dプリントペンを操るようにスケルトン構造の3Dプリントオブジェクトを生成できる。この技術をベースに精度を高めることで、デザイナーは今までにない新しいプロセスで3次元設計と3Dプリントを行うことが可能となる。


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